5/29の日記 華金の今後

「華の金曜日」という死語がある。30歳の私ですら死語と認識しているが、私の働く街では、何故か若い層にも浸透している。

「一周回って流行ってる」みたいなものなのか、あるいは客層の代謝が速すぎて廃れることなく脈々と使われているのか。いずれにせよ、この街では「金曜の夜は華々しく飲み歩くものだ」という気運があった。少し前までは。

金曜の夜。わたしがやってる半立ち飲み屋は今日も暇だった。21時以降の過疎っぷりったらない。ちなみに半立ち飲み屋とは満席になったらたってでも飲めるスペースが少しある店であって、下ネタではない。

どうも「夜遅くまで飲むのはちょっとなあ」という雰囲気があるのだろう。そりゃそうだ。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、オールで飲むのは後ろ指を貫通させられるくらいの覚悟がないとなかなか出来ない。

いつ戻るんだろう。戻ることってあるのか?

小さい飲み屋として気になる点。

・おうち時間慣れ

・リモート飲み会のハードル低下

・三密への抵抗感

ここらへん。

まあとにかくこの1ヶ月ほどで、みんな家にいる時間に慣れたと思う。酒も安い。好きなテンションで飲める。

加えて、この「まっ、仕方ないしリモート飲みでもしてみっか」とはまった人も結構いるだろう。なんとなく気恥ずかしかったビデオ通話も、こんなご時世仕方ないという言い訳を得てずいぶん広がった。飲み屋でいちいち顔を合わせる必要もなくなった。

そして一番恐ろしい三密への嫌悪感。この自粛期間中に結構な人数が目覚めたのではないだろうか。

これの恐ろしいところが、大半の人は「うつされるかも」という不安から三密を避けるのではなく、「そういうところに行ってもし罹ったらご近所とか職場とかいろんなところめちゃ非難されるよな」ってのを恐れていること。

ウイルスが無くなっても、人の目は無くならない。

日本人らしいよね。私はそういうリテラシーは持っていて然るべきだとすら思うし、だからこそ一応は医療崩壊に至らず、ロックダウンなどの強制措置を行わず、うまそこそこの善戦をしたのだと思う

ただね、経営上は本当に致命的だね。

そもそも立ち飲み屋なんかは密であるが故に成り立つ商売だしね。でもこのまま密アレルギーがずっと続く可能性はある。ソーシャルディスタンスが全国民にとって当たり前のエチケットになった時、立ち飲み屋ってどうするんだろう。

一蘭みたいに、パーテーションを置く?透明のフィルムで。

すごーく広い敷地で、距離とって飲む?家賃がやばそう。


全員フェイスガード?ものすごく気流を改善するサーキュレーターつける?バーチャルにする?

結局、立ち飲み屋に求められるのは安さと気軽さと会話のしやすさで、いま訴えられている三密を避けましょうという目標の真逆である。これからどうなるんだろう。淘汰されて淘汰されて、立ち飲みというのが、過去の文化になるんだろうか。タチノミについて「わたしの若い時分はな…」と将来語れるのであれば、当事者としてはちょっとたのしみではあるな。



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