東京都知事選挙と統計
結論:50歳以上投票率が変わらず、50歳未満投票率が58.77%である時、50歳未満投票数が過半数を超える。
背景
先週の日曜日は東京都知事選挙の投開票日だった。
今回は過去最多の立候補者数(22人)であり、いわゆる泡沫候補と評される立候補者も数多く出馬していた。結果は小池前都知事の圧勝だったが、投票する前から結果は見えていた、という人が多いのではないだろうか。私もそんな一人であった。
都知事選に限らず、選挙全般に対して、「結局団塊の世代とかバブル世代とかの票で決まるんだよなー。でも一応投票するか」という印象があった。
でもこれって本当だろうか?若年層が束になってもこれらの世代には太刀打ちできないのだろうか?
そこで本記事では、過去の統計情報を用いて、40代以下(18~49歳)が持つ票の力について検討した。
なお、数字を使って遊んでいるだけで、政治的な主義主張はございません。あしからず。
解析内容
・東京都における50歳未満と50歳以上の人口比率は?
・東京都における50歳未満と50歳以上の投票数比率は?
・東京都において、50歳未満の投票数が過半数を超えるために必要な50歳未満投票率は?
使用する統計情報
・東京都年代別投票率
東京都年代別投票行動調査結果からダウンロードしたデータを用いた。なお、都知事選の実際の年齢別投票率はまだ公開されていなかったので、直近の選挙データを用いた。直近の選挙は令和元年7月21日の参院選であり、本解析では参院選の投票率を用いた。
・東京都年齢別人口
東京都のホームページから取得した、令和2年時点の住民基本台帳における区市町村、年齢(各歳)及び男女別日本人人口を用いた。
解析
東京都における50歳未満と50歳以上の人口比率は?
50歳未満が、50.8%, 50歳以上は49.1%
前回衆院選の東京都における全投票数のうち、50歳未満と50歳以上の投票数比率は?
東京都において、50歳未満の投票数が過半数を超えるために必要な50歳未満投票率は?
令和元年参院選のデータより、
東京都にいる50歳未満の人口に対しての投票率:42.74%
東京都にいる50歳以上の人口に対しての投票率:60.85%
50歳以上の投票率が変わらない時、50歳未満の投票数が過半数を超えるために必要な投票率:58.77%
50歳未満の投票数は2,478,934であり、50歳未満人口は5,799,153人であることから、前回の選挙において投票に行かなかった人の内、929,638人が新たに投票に行くことで、50歳未満投票数が過半数を超えることになる。
まとめ
・東京都における50歳未満人口は過半数を超えているが、投票された数としての人口比率では、約42%程度であった。このような結果を踏まえて選挙戦略を考えると、50歳以上を優遇する公約を掲げたほうが当選確率が上昇するものと推察される。
・50歳未満人口の投票数が過半数を超えるためには、約92万人以上の投票者数増加が必要であることが明らかとなった。
最後に
解析前に私が抱いていた「束になっても敵わないんだろうな」という感覚は誤りであったことがわかった。参院選と都知事選を一緒にするな!という方もおられるかとは思うが、何かしらの問題提起には十分な解析であったと感じている。なお、解析に用いたコードはすべてR notebookで保存しているので、ご興味のある方はご連絡いただければお渡しいたします。
みんな選挙行こうぜ!動物園も行こうぜ!関係ないけど!
改定歴
2020.07.15 まとめの人数を9.2万人から92万人に修正
2020.10.17 分かりにくかったので40代人口→50歳未満に変更
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