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切手はどこへゆく

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#朝ドラ

切手はどこへゆく 第二十五話

鉄板はいくらきれいにしても、また次のお好み焼きを焼き始めると、焦げ付いてくる。 追加注文…

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11か月前

切手はどこへゆく【第二十四話】

体育館を出て、駐輪場に向かった。 駐輪場につくと、わたしの自転車以外に置いてあった自転車…

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11か月前

切手はどこへゆく【第二十三話】

もう引退しているはずなのに、土曜日に学校にいくのが、なんだか不服だった。 部長からの「部…

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11か月前

切手はどこへゆく【第二十二話】

ゴールを見つめている後輩の瞳に、光はなかった。どこにも焦点はあっていないし、体が動き出す…

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11か月前

切手はどこへゆく【第二十一話】

練習は、あくまで練習なのだと、思い知らされたのは、高校生活最後の試合の日だった。 二回戦…

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11か月前

切手はどこへゆく【第十九話】

三上の提案に乗ったわたしと古谷は、自転車を押しながら駅前まで歩いた。三上は、古谷の自転車…

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切手はどこへゆく【第二十話】

蒼太さんはこの前と変わらず、切れ長の穏やかそうな目をしていた。 小さく会釈するわたしを見て、優しく微笑んだあとに、古谷の方をちらっと見て、少し不思議そうな顔をしていた。 古谷を見ると、愕然とした表情をしていた。人の顔を見て、いきなり「え?」は失礼だろう。愕然としたいのはこっちの方だ。 蒼太さんの前で失礼なことをするなんて。一言言ってやりたい気持ちもあったが、蒼太さんの前で文句を言うところを見せたくない。わたしは一人、心の中でせめぎ合っていた。 「稲村、俺先行くわ」 古

切手はどこへゆく【第十八話】

古谷と三上は、わたしに聞かせているのか、自分たちで盛り上がっているのか、わからないくらい…

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切手はどこにゆく【第十七話】

古谷を待つまでの間、わたしと三上はそれぞれ、ウォームアップをしていた。 脱げないように靴…

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切手はどこへゆく【第十六話】

今日は、良い天気だった。 窓から入る日差しのせいか、いつもより多く寝たからか、いつもの日…

切手はどこへゆく【第十四話】

携帯電話を机に置いて、明日の準備でもしようと立ち上がったところで、通知音が聞こえた。 画…

切手はどこへゆく【第十三話】

三人で並んで校門を出てから、三上は古谷に、藤崎さんの話をした。古谷はあまり興味なさそうに…

切手はどこへゆく【第十二話】

一つ前の授業と打って変わって、わたしの目は冴えていた。 先生がおしゃべりで、それに便乗し…

切手はどこへゆく【第十一話】

翠から届いた白い封筒の中には、翠からの手紙と、写真が入っていた。 写真は、青い花がたくさん咲いている中に、翠らしき人物の後ろ姿が映っていた。見覚えがあるのに、思い出せない花の名前と、翠の後ろ姿に、頭の中は疑問符でいっぱいだった。 なにも疑問が解決しないまま読んだ手紙には、翠の引っ越し先での生活がつづられていた。家族で観光スポットまで行ったとか、転校した学校の話から、新しくできた友達の話まで、翠の文字が、わたしに話しかけてきているようだった。 おまけに、山梨に行ってから、