穂村すずめ

・メンズなかよし小説 BL(ライフ寄り)小説 ・恋愛に絡む部分は控えめ、日常で心が動くのをかきます トラブル描写少なめ ・すこしふしぎは若干のホラー要素があるかもしれないので注意 ・スキ♡すると御礼イラストがでます(WEB拍手感)

穂村すずめ

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  • 白澤と野田

    創作振り分け用です。探偵の白澤・探偵助手の野田のすこしふしぎバディものです。BLタグありますがBL未満、ブロマンス寄り。

  • 深山と一本木

    くるみ舎・スピカ文庫さまより各種電子書籍ストアより配信中の、『西荻窪・深山古書店の奇書』同人版です。西荻窪にある古書店「深山古書店」の店主・深山凛太郎と、古書店に配達に訪れる青年・一本木明人の異世界探訪のお話です。

  • お知らせ

  • 牧と五十嵐

    創作振り分け用です。無趣味教師・牧とフリーター・五十嵐のはなし。J.Gardenにて発行した本のWEB再録です。

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目次とご挨拶

🐣ご挨拶 穂村すずめ(@suzume_ho)です。 メンズなかよし小説を書きます。J.Gardenによく参加しています。 イラストはすべてしまだめりこさん(@hellclean)にいただいております。 🐣次回イベント参加予定: 2021年参加予定については決定次第追記いたします。 🐣作品目次 🐶【完結作品】十年ぶりに再会した同級生とゆっくり仲良くなるお話  (無趣味教師・牧とフリーカメラマン・五十嵐のシリーズ)  ⇒Pixiv 掲載版はこちら 👓【シリーズ】ブロマンス

    • 【小説】#33 怪奇探偵 白澤探偵事務所|過去に繋がる蔵

      あらすじ:蔵の中身を処分したいという依頼があり、古い蔵へ訪れた野田。白澤が挨拶を済ませている間、先に蔵の中に入った野田だったが、土壁に小さな扉を見つけ――。 ↓シリーズ1話はこちら!↓  蔵の重い扉を開けると、土埃の匂いがした。  春のおだやかな陽気に反して、蔵の中はしんと冷えている。内側は暗く、中にどれくらい荷物があるのか予想もつかない。  スマホが短く震えて、先に始めていてくれと白澤さんからメッセージが届いていた。  時刻は朝の九時を示している。途方もないように見える

      • 怪奇探偵 白澤探偵事務所 特別編 2023春

        すこし不思議(ちょっとホラー風)な短編集です。特別編となっておりますが、単体でもお読みいただけます。 (4月2日(日)J.Garden53【た05a】で頒布します。9本の短編集です) 人外の探偵・白澤(しろさわ)と、視える助手・野田(のだ)のお話。一部作中の固有名詞に解説がありませんがご了承ください。 本編は以下のマガジンを参照ください。 春の山では( 2022.4.3 J.Garden51 )  薄靄がかかった山道を、白澤さんの背に続いて歩く。  大きく息を吸って、

        • 【小説】#32.5 怪奇探偵 白澤探偵事務所|黄昏る人影|閑話

          本編はこちら! 「こんなに食べたら正月まで持たなくないですか?」 「大丈夫、こんなこともあろうかと他のお店にも予約してあるんだ」  抜かりはないという様子の白澤さんに少し笑う。  持ち帰ってきた餅は、早々に半分以上が俺と白澤さんの胃に収まった。磯部から始まり、次はきなこ、インスタントだがお汁粉にも入れて、最終的にまた磯部に帰ってきて、最後は大根おろしで今日は終わりにしようということになった。  餅を食べるなんて実家を出てからほとんどなかったけれど、白澤探偵事務所に来てからは

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          【小説】#32 怪奇探偵 白澤探偵事務所|黄昏る人影

          あらすじ:白澤からお使いを頼まれて外出した野田。用事が済んだ後、住宅街を歩いていると不意に人影が見えてしまい――。 シリーズ1話はこちら!  歩くたびに冷たい空気が頬を撫でる。  日はすっかり沈んでしまい、薄暗い住宅街を早足で歩く。暗いと不思議と寒さを強く感じる気がする。冬至を過ぎれば日も伸びていくだろうが、まだしばらく先だろう。  白澤さんにお使いを頼まれて依頼主の家に行って物を預かってきた。簡単な用事だったが、外を歩いている間にすっかり体が冷え切ってしまったのだ。  

          【小説】#31 怪奇探偵 白澤探偵事務所|知らない縁日|閑話

           翌日、事務所に戻ってきた白澤さんは見慣れたスーツに色付き眼鏡であった。少しくたびれた様子はあったが、両手にずっしりと重たい紙袋を下げて帰ってきたので少し驚く。 「お疲れ様です。おかえりなさい」 「ああ、ありがとう。お祭りはどうだった? 楽しめたかな?」  疲労が残っているのか、普段は自室ですぐに着替える白澤さんが上着を脱いで襟元を寛げる。部屋で休むより俺の話を聞きたいのか、そのままソファーに腰を下ろした。俺は受け取った紙袋をダイニングテーブルに置き、昨日のことを思い出す。

          【小説】#31 怪奇探偵 白澤探偵事務所|知らない縁日

          あらすじ:白澤が外出している白澤探偵事務所に百乃が訪れる。百乃は白澤に用事があったようだが、生憎外出中であることを伝えると祭りに誘うつもりだったのだと言う。幻永界の祭りに興味はないかと誘われた野田は、百乃と共に幻永界の祭りを訪れ――。  窓を開けた瞬間、ひやりと冷たい風が通り抜けた。  外からかすかに虫の声が聞こえる。蝉の声がいつから秋の虫に入れ替わったのかはっきりと思い出せない。夏は案外あっけなく終わってしまうな、と思う。名残惜しいのだろうかと考えてから、やはりあの暑さを

          【小説】怪奇探偵 白澤探偵事務所 | 夜逃げの部屋

          人外の探偵・白澤(しろさわ)と、視える助手・野田(のだ)のお話。一部作中の固有名詞に解説がありませんがご了承ください。 (2022年9月4日のイベントで無料配布ペーパーに掲載したお話です) 本編は以下のマガジンを参照ください。  白澤探偵事務所に勤めはじめてから、ある程度のことには怯まなくなった。  探偵事務所と言いつつ、怪奇事象の原因究明および事象の排除が業務の主を占めている。だからコンテナの集まる埠頭や人里離れた山奥にも行くし、人ならざるもの、こちら側と違う世界――幻

          【小説】怪奇探偵 白澤探偵事務所 | 春の山では

          人外の探偵・白澤(しろさわ)と、視える助手・野田(のだ)のお話。一部作中の固有名詞に解説がありませんがご了承ください。 (2022年4月3日のイベントで無料配布ペーパーに掲載したお話です) 本編は以下のマガジンを参照ください。    薄靄がかかった山道を、白澤さんの背に続いて歩く。  大きく息を吸って、吐く。早朝の空気はひんやりと冷えてはいるが、息が白く染まることはなく、鼻先が痛くなりもしない。  寒くないということはようやく冬は終わったらしい。  湿った土の匂いがする。

          【小説】#30.5 怪奇探偵 白澤探偵事務所|曰く付きの絵皿|閑話

          【本編はこちら】 「野田くん、疲れていないかい?」 「疲れてはいるんですけど……なんか、慣れないことしたからなのか、頭がしゃきしゃきしてるんですよね」  あれこれ買い込んで家に帰り、飲み食いで満たされたあともしばらく白澤さんと喋っていた。体は疲れているのだが、まだ喋っていたい気持ちがある。頭の方はまだ元気であるらしい。  腕がだるい。特に、皿を持ち床に落としていた右腕が重い。左腕も使えばよかった、と今更気づく。足も棒のようだ。風呂でしっかり揉んでやらなければ、明日は身動きが

          【小説】#30 怪奇探偵 白澤探偵事務所|曰く付きの絵皿

          あらすじ:商人のエチゴから急な依頼を受けて港のコンテナを訪ねた白澤と野田。そこには曰く付きの絵皿が大量に集められていた。エチゴは積み上げた絵皿を割ってほしいと頼み――。 【シリーズ1話はこちら】  潮風の匂いに、思わず眉を顰める。生っぽい何とも言えない臭いに短く呼吸を止め、息を吐いた。  日の沈みかかった海から吹いてくる風は冷たくて、思わずぶるりと体が震える。海面に視線をやるが、夕暮れの仄かな明るさでは波が揺れるばかりで何も見えなかった。ただちゃぷちゃぷと揺れる海面が、暗

          【小説】#29 怪奇探偵 白澤探偵事務所|暗闇に浮かぶ花

          あらすじ:終業間際、飛び込みの依頼で外出することになった白澤にある届け物を頼まれた野田。指定された場所に向かうと、その先には――。 \シリーズ1話はこちら/ 「野田くん、ちょっと頼まれてくれないかな」  終業時間の迫る夕暮れ時、白澤さんが上着に袖を通しながら言った。  今日は珍しく忙しい一日だった。依頼に事務所を訪ねてくるお客様が午前と午後に一件ずつ、飛び込みの面会が一件を済ませ、つい先ほどまで白澤さんは長い長い電話をしていた。  電話を終えて出かける支度を始めたところで

          【小説】#28 怪奇探偵 白澤探偵事務所|澱みのヒトガタ

          あらすじ:無人のはずの家に人影を見た依頼人から家の調査を依頼された白澤と野田。実際に家を訪ねてみるが人の姿はなく、代わりに見つかったものは――。  風の冷たさに、思わず体がぶるりと震えた。  今年は例年よりも冷え込みが厳しく、しっかり備えないと体の芯まで凍えてしまう。上着の隙間を埋めるように体を縮こませるが、寒さですっかり目が覚めてしまった。  空を見上げれば、灰色の厚い雲が一面を覆っている。見慣れた新宿の空とは違うなと思うが、何が違うのかまではわからない。ビルではなく、木

          【小説】#27.5 怪奇探偵 白澤探偵事務所|夕焼けに消える何かを見届けた話

           風に磯の匂いが混じっている。  海が近いからか、風が強い。体の芯まで冷えるような木枯らしに身を縮こまらせていると、廃ホテルの中から白澤さんが戻ってきた。日が沈みかかっていて、すでにあたりは薄暗いから表情まではよく見えない。 「お疲れ様です。大丈夫でしたか?」 「うん。肝試しで交霊実験をやったグループがいたみたいで、半端によくないものが集まっていたみたい」  ホテルを背に歩き出す。もうそこに用事はないという足取りなあたり、原因を白澤さんがすっかり取り去ってくれたのだろう。  

          【小説】同人版 西荻窪・深山古書店の奇書|鍋をつつく話

           凛太郎から夕食に誘われたのは昨晩のことだ。  曰く、懸賞でちょっとした鍋セットが当選したのだと言う。届いたはいいが明らかに三人前の量があり、食べきれないとふんで俺に声をかけたらしい。若い人の胃なら余裕で入るというその言葉に、まあ食べさせてもらえるものを断る理由もないだろうと了承の返事をした。  約束の時間、深山古書店を訪ねる前に手土産を考える。ご馳走してもらうのに手ぶらでいくのは気が引けて、凛太郎が喜びそうなものを見繕って持っていくことにした。  俺がわかる範囲の凛太郎の好

          【小説】#27 怪奇探偵 白澤探偵事務所|はんださま

          あらすじ:丸井から紹介された依頼人から、地元の神様について調べて欲しいという依頼を請けた白澤と野田。「はんださま」と呼ばれるその神様を祀る土地には毎年死人が出ていて――。 ↓シリーズ1話はこちら↓  思い返せば奇妙な夏だった。  しとしとと雨の降る音がしている。冷たい空気と金木犀の匂いが秋だと伝えてくれていた。じっとりとした暑さは雨が降るごとに夏は鳴りを潜め、すっかり過ぎ去ってしまった。  完成しない報告書が目の前にある。本当にあった出来事なのだからそのまま書けばいいのだ