オーディオブックのこう言う取り組みも面白いです。:読書録「誰かが私を殺した」
・誰かが私を殺した
著者: 東野圭吾 ナレーター:寺島 しのぶ, 松坂 桃李, 逢田 梨香子, 高橋 克典
出版: audible original
Amazon Audibleのオリジナル作品での東野圭吾「加賀恭一郎」シリーズ新作。
豪華な俳優陣を配し、BGMや効果音なども入れたなかなか凝った作りになっています。
<概要>aubidleより
加賀恭一郎の新シリーズ、まずは耳から。
東野圭吾、初のオーディブル作品は完全オリジナル。
新たな加賀のバディも現れ、累計1400万部を突破したシリーズは新たなステージへ!
亡き夫の月命日。墓前で手を合わせていると、突然背中に衝撃を受けた。気づいた時には、魂だけがこの世に留まっていた。どうやら私は誰かに撃たれたらしい。
警察の遺体安置所で出会ったのは、警視庁捜査一課の加賀恭一郎警部と部下の女性刑事・新澤。
私は彼等による捜査の行方を見守りながら、なぜ自分が殺されたのかを考えた。
国重ホールディングスの「女帝」として、すべてを完璧にこなしてきたつもりだし、母親としては、来月結婚する一人息子に愛情を注ぎ続けてきた。
だが公私において、気に入った人間はとことん守って盛り立てる一方で、信用できなくなった人間を容赦なく切り捨ててきたのも事実だ。私に恨みを持つ者は少なくない。
その中の誰かが私の命を奪ったということだろうか。
やがて加賀はほんの些細な手がかりを積み重ねることで、事件の真相に迫っていく。
彼の推理の先にあったものは、私が想像さえしなかった。
殺された被害者が幽霊になって彼女の視点から語られると言うスタイルで、オーディオブックにふさわしい形式になっています。
ちょっとしたことだけど、こういう風にさっとやれるあたりが東野圭吾さんの手練れたところだなぁと思います。
まぁよくよく考えてみると、こういう設定だと「あれ?」って言うところもないことないんですけどね。
ぶっちゃけ犯人探しの推理小説としては破綻してるかもw。
ただ、まぁ加賀恭一郎シリーズって、単純に「犯人探し」をするっていうのがメインじゃないですから。
そこら辺はうまいこと持っていってます。
ボリューム的に言えば短編ですから、
あまり多くを求めちゃいけません。
オーディオブックはデジタルボイスがどんどん進んでいて、ナレーションはそちらの方向に比重が置かれていくのかなあと思っていました。
一方で本作みたいにドラマ制作仕立てで俳優声優陣を使ってオーディオブック化するって言う方向性も確かにあるなと思います。
まだ今のところは、人間がやる方が、物語の感情移入はしやすいですから。
制作をする時間がかかりすぎると言う難点はあるので、短編を中心にこういうオーディオブックを制作していくと言うのは悪くない考え方だと思います。
ボリュームブックを使っていない人へのアピールと言う点でも。
その先はどうなりますかね
デジタルボイスでの感情的な演技もすぐにできるようになるような気もしなくもないので…。
消費者としてはどんどんオーディオブック化されていくと言うのは嬉しいことではありますが、トータルとしてそれが社会にとって良いのかどうかは判断がつきかねます。
まぁ、僕がどうこう言うことでもないんですけど。
#読書感想文
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