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ヒロインが間抜けすぎw:読書録「破斬 勘定吟味役異聞(一)」

・破斬 勘定吟味役異聞(一)
著者:上田秀人 ナレーター:茶川亜郎
出版:光文社文庫(audible 版)

上田秀人さんが初期から描き続けておられる「水城聡四郎」シリーズ第1作。
長いんで手を出しかねていたんですが、audibleで順次刊行…となったようなので、手を出してみることにしました。
時代は徳川家宣の時代。
柳沢吉保は隠居しているがまだ力を持っており、新井白石は盤石な権力をまだ握りきれていない…というタイミングです。
主人公は新井白石の引き立てで、柳沢吉保がバックにいる勘定奉行・荻原重秀、豪商・紀国屋文左衛門と対峙することになります。


兄の急逝で家督を継いだ旗本・水城聡四郎は、将軍家宣側近の儒者・新井白石によって、 勘定吟味役に取り立てられる。勘定に疎い聡四郎だったが、巨額の金が動いた普請に目をつけたことから、見えざる敵が蠢きだす。はたして幕府に巣食い、蜜を吸っていた者とは――。 聡四郎が襲い来る刺客に一放流で立ち向かう!
(audible 版)


まあ、貨幣改鋳で甘い汁を吸っていた荻原重秀・紀国屋文左衛門を聡四郎が断罪する…って流れになるんですが、どこまでシリーズが続くか読めなかったからでしょうかね。
この1作目で一旦の決着は着くことになります。
最近の上田さんのシリーズだと1作目じゃ全然話が進んでなかったりしますから、えらい変わりようですw。


しかし田沼意次といい荻原重秀といい、貨幣経済(信用経済)に着目した人物ってのは、時代小説では人気ないですねぇ。
まあ、「賄賂」を取ってたようなんで、そこが評判の悪いところなんでしょうけど、幕府財政を立て直らせて延命させた功績もあるんですけどねぇ。
そういう意味じゃ、田沼意次を評価してた池波正太郎の慧眼ってのは、ちょっと特殊なんかもしれません。


さて、続きをどうしますかね。
柳沢吉保・紀国屋文左衛門あたりの「この後」ってのはちょっと気になります。
一方で本作ではヒロインの考えのなさっぷりに呆れるところもあって、どうもそこら辺が引っかかりもします。
剣戟シーンは迫力あるんですけど…。


2巻がオーディオブック化されるにはもうちょっとかかるようですから、その時に考えればいいか。
覚えてれば…だけどw。

#読書感想文
#破斬
#勘定吟味役異聞
#上田秀人
#audible

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