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これから数年の経済政策はかなり重要:読書録「MMTが日本を救う」

・MMTが日本を救う
著者:森永康平
出版:宝島社新書

いよいよ日本でもワクチン接種が開始。
「打ったからすぐにおさまる」
…ってものでもないし、「変異種」のことが気にもなりますが、「ターン」が変わってくるのは確かでしょう。


当初、ワクチン開発には1、2年…とも言われていましたが、大幅に短縮しての接種開始。
世界的に経済状況は厳しいものがありますが、経済基盤がガタガタになる前に「ターン」が変わって来そうなのは「幸い」です。
経済的・社会的な「課題」が浮き彫りになったことも、中長期的視点から見れば悪い話ではない(…と思いたい)。


今後数年、日本を含め各国が「緊縮財政」に踏み込むことはでいないでしょう。
破滅にまでは至らなかったものの、かなり経済状況が厳しくなってるのは確かですし、社会的基盤の脆弱さが露わにもなって来ています。(「格差」と言う形で噴出していますが、そこには人種差別やマイノリティー差別等の背景も見えています)
こう言うことを背景にすると積極的な「財政政策」は不可欠。
しかしそうなると「債務」が膨らむのも間違いなく、その「財源」は…


…と言うことで読んでみたのが本作。
「反緊縮派」が掲げる新しい(ホントはそうでもないらしいですがw)経済理論「MMT」について解説してくれる本です。


とか言って、理論の方は「わかったような、わかんないような」なんですけどね〜。
作者は「なるたけ数式とかは使わず、わかりやすく」と意識されたようですが、僕の知識の方が追いつきませんでしたw。
「消費税増税が如何にダメだったか」
ってのは、十分理解できましたがw。


まあ、僕はこれから数年の「積極財政政策」は「やらざると得ない」と思っています。
「やる」としたら「どこに注意しなきゃいけないのか」
知りたかったのはソコですね。
(基本は「インフレ」。想定したインフレ率以上のインフレ状況が見えてきたら、増税や緊縮財政に切り替えるって言うのがMMTの基本のようです。
金融政策に重きを置かないってもの、重要かな)


個人的には「経済理論」ってのは「対処療法」と思ってます。
そして現状の「対処療法」として、「MMT」は悪くないってのが僕の考えです。
最悪は「緊縮財政」ですな。


この機会に日本社会の変革にも手が入ればいいんですがね。
その財源として、このタイミングでの財政政策を活用させてもらって、将来的な日本社会の土台を作る。
「30年ぶりの日経平均3万円台!」
とか言ってますけど、要は30年ズ〜っと停滞してたってことですからね。(しかも最高値は「3万9千円」で、更新にはまだまだ…)
その間に、アメリカの一人当たりGDPは日本の1.5倍になり、韓国と日本の一人当たりGDPはかなり近くなった。
この「30年一人負け」ってのを今後も続けるつもりかいな!
ってことです。


<sansan主催の夏野さんのセミナーの資料>

コロナ対策下で日本の統治機構が無茶苦茶アナログなのが露わになって、そのデジタル化に舵が切られてるのは良い話。
一方で森さんの「失言」以降、日本のリーダー層の「頭の古さ・硬さ」が表面化してることは、これからの経済舵取りにおいて不安を感じさせるものではあります。
なんか「ハコモノ」にしか金の使い方、思いつかんのちゃうか?…と。


そうじゃないことを願うし、そうじゃないように自分も考え、動いていかなきゃいけないな、とは考えています。


「正念場」は<これから>かも。


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