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エピローグとしての前日譚:読書録「受験生は謎解きに向かない」
・受験生は謎解きに向かない
著者:ホリー・ジャクソン 訳:服部京子
出版:創元推理文庫(Kindle版)
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爽快な青春推理小説だった第一作から、予想もしなかったダークサイドに足を踏み込み、苦悩の末に、ようやくそこから抜け出した第三作。
驚くべき三部作の前日譚となる番外編です。
推理ゲームをするために仲の良い友人たちと集まったピップ。
あまり乗り気になかった彼女もゲームが進むうちに、徐々にのめり込んでいくようになる。
すべての証拠が手に入った時、彼女は驚くべき推理を披露するが…
中編なので、サラッと読めます。
登場人物も本編の3部作に登場するので、まあ劇的展開はないのは予想の範囲。
…なんだけど、
「その彼らがやがて…」
ってのが本編読んでる人には想起されます。
そしてピップの推理、真実や正義へののめり込み…
やがて辿る道への翳が終盤の展開に垣間見える思いがします。
単独作としてまとまってはいるので、時系列としてシリーズの入り口…
にはならないかな。
やはりあの一作目の爽快さから味わうべきでしょう。
それがあっての、あの展開なんだから…。
だから全てを見終わった後の、本書はエピローグのようなもの。
そこに友情の輝きがあることを振り返ることで噛み締める苦い味。そんなエピローグ。
作者は何作か新作を書いているようですが、いずれも単独作のようです。
いやまあ、あの後は書けないよね。やっぱり。
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