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デジタルが抜けた時間に何をするか?:読書録「デジタル・ミニマリスト」

・デジタル・ミニマリスト  本当に大切なことに集中する
著者:カル・ニューポート  訳:池田真紀子
出版:早川書房

読み終えて、
「僕は、<デジタル・ミニマリスト>にはなれんな」。
ま、当分は。

問題意識がないわけじゃないんですけどね。
一番の問題は、
「じゃあ、デジタルから離れて何するの?」

本書の中で実例と挙げられているケースなんかだと、デジタルから離れて、「本を読む」ってのが一番多いんですが、それはやってますしねぇ。
僕自身について言えば、読書時間や、映画鑑賞、音楽鑑賞(ライブ含む)よりもデジタルを優先してるってのはないです。

「じゃあ、、デジタルを目的的に活用するという点で既に<デジタル・ミニマリスト>?」
って言うと、そんな訳はなくてw、SNSにもニュースフィードにもモバイルゲームにも時間はとられておりますw。


本書については、
「デジタルから一歩離れる」
と言う点と、
「創造的で有意義な時間を過ごす」
と言う点でスタンスが少し違ってきます。

前者について言えば、その空いた時間での「読書」や「交友」「対話」なんかが勧められています。
一方で後者について論じる際には、「他者からのインプット」に対しても厳しい評価がされていて、「読書」なども避ける対象として挙げられるようになります。
<孤独の重要性>について論じた部分なんかは、なかなか興味深かったですよ。(「長い散歩」で自分自身との対話を深める…とかね)
クリエイティビティをどうやって確保するか…なんかはここら辺にも関与してくるでしょう。

そこから「デジタルで空いた時間で何をするか」で、作者は「手仕事」や「社交」のようなリアルな取り組みを挙げてるんですが…う〜ん、ここって「孤独」から生まれる創造性から考えると安易すぎない?
個人的には「創造的アウトプットとは何か?」っていうのはここんところの「課題」でもあるので、もう少し深いところに突っ込んで欲しかった気がするんですよね。

「手仕事」や「社交」って、デジタル前の価値観に近い。
それをデジタルを活用することで、もっと効率的に…ってのはわかるんですが、行き着く先がそれだと随分と保守的。
もっとそこに違った形の新しいクリエイビリティの可能性を見たい…って個人的には思うんですが、楽観的すぎますかね?


あと話し振りとしては、「ソーシャルメディア大企業」に対する反発というか抵抗を前面に打ち出した論理展開は、個人的にはあんまりフィットしませんでした。
言いたいことはわかるんですけど、別に大企業が儲けたっていいじゃないですかw。自分の生活が充実するのであれば。(その結果、大企業が儲けられなくなるのであれば、それはそれ)


とは言え、読んでて面白かったですけどね。
具体的なやり方がそこここに紹介されてて、
「なるほどね〜」
ってのもありました。
「デジタルデバイスを捨ててしまえ〜!」
みたいな極論じゃなくて、
「自分の目的に叶うように、デジタルテクノロジーを活用する」
ってスタンスは共感が持てます。

(作者の問題意識は「スマホ」にあります。
SNSに対しても批判的ですが、PCでやる分にはまだしも問題は少ないと考えているよう。
常時接続のスマホが時間と創造性を奪っていくことに対する嫌悪感を強く感じました。

ま、分からなくもないw)


<デジタル・ミニマリストは、新しいテクノロジーを大事な目標に向けた歩みを支援するツールと見なす。(中略)大きなメリットを生み出すような限定的で意識的な方法で新しいテクノロジーを応用しようとする。>


僕個人としての課題は、「大事な目標」が見当たらないってことなんですよw。


しかしまあ、とりあえずアプリの整理はしないとなぁ。
iPhone10面にアプリがズラ〜ッってのはやっぱり…。

そのキッカケを与えてくれただけで、「良し」かしらねw。

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