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「オタクだけど、ムチャクチャ頭の切れるクールな男子高校生探偵」って設定に乗れるかどうか:読書録「体育館の殺人」

・体育館の殺人
著者:青崎有吾 ナレーター:浅井晴美
出版:創元推理文庫(audible版)

高校の体育館の舞台の上で男子校生の刺殺体が発見される。
状況的に舞台は「密室状態」であり、犯人の可能性は卓球部部長だけに絞られる。
納得いかない卓球部員の女子高生が、生徒会副会長のアイディアで、学内で最も頭の切れると思われる男子校生に助けを求めることになり…



というお話。
この探偵役の男子校生が「アニメオタク」で、学校の「部室」を不法占拠してそこで生活している…という設定になっています。
彼はアニメグッズ購入の資金づくりのため、卓球部の謝礼金目当てに捜査に乗り出し、ロジカルに組み立てる推理で、事件担当の刑事たちも翻弄しつつ、犯人に迫っていきます。
エラリー・クイーン的な、「動機」ではなく、「アリバイ」や「手法」を論理的に詰めていって犯人を絞っていく…というスタイルの推理小説です。
舞台は「高校」ですが、あんまり青春推理小説的な展開にはならないかなw。



このロジカル推理の展開はなかなか読み応えがあります。
「読者への挑戦状」もシッカリあって、パズルを組み立てるような推理には懐かしさもあります。
その分、「動機」の方は「ん〜…」ですが、変にアクロバティックなモンにしてないのは個人的には好感が持てますかね。



この作品、「乗れる」/「乗れない」は、この探偵役の男子校生の設定を受け入れることができるかどうかってのが大きいでしょう。
10代・20代ならスンナリ受け入れられたかもしれませんが、60間近のおっさんが読むと、
「いやぁ、どうかな〜」
って、ちょっと苦笑いしたくなる気分も。
ま、「名探偵コナン」との距離感に近いとこあるかなw。



続編が何作か出てて、シリーズになってますから、人気はあるんでしょうね。
他の作品もaudibleになってます。
続きをどうするかは…
ペンディングかな。


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#体育館の殺人
#青崎有吾
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