「独ソ戦」の別の側面:コミック「戦争は女の顔をしていない 1」
第二次世界大戦での戦死者数。(軍人、民間人、合わせて)
ドイツ:約800万人
日本:約300万人
ソ連:約2,700万人
(解説より)
戦勝国でありながら、正に「桁違い」。
本書はその「独ソ戦」に参戦したソ連の女性兵士へのインタビューをまとめた本を漫画化した作品です。
そもそもの書籍の方、以前から気にはなってたんですが、重そうなんでナカナカ手を出せずにいたところ、コミックで出てるのを見掛けて…という流れ。
いやまあ、漫画になっても、「重い」のには変わりありませんでしたが…。
ソ連の女性兵士は「徴兵」ではなく、「志願兵」なんですね。
彼女たちは母国を守ることを決心し、戦争に参加した。建国間近の社会主義国の「理念」への希望や、教育の成果もそこにはあったと思われます。
その結果として、彼女たちが目にし、体験したのは…。
「赤軍」については、一方でその暴虐さについても語られることが少なくありません。
終戦間際の日本においても…。
ただ本書が問うのは、そういう「善悪」ではないんですね。
「戦争」というものが持つ、酷薄な姿。
その中で「女性」がどういう立場に置かれていたのか、「女性」という視点から見た時、「戦争」にどういう意義が見出されるのか。
彼女たちの「語り」から何を受け取るかは、読む側に担わされている「課題」です。
う〜ん、積読になってる岩波新書の「独ソ戦」も読まなきゃなぁ。
気が重くなりそうだけど…。
PS こういう作品が世に出るっていうのは、WEB漫画って背景があるんだろうな、と。
大半のWeb漫画は4コマ漫画+αみたいなもんだけど(大好きですがw)、こんな重い作品もトライする土壌がある。
本作はグローバル展開も可能な内容だから、もしかしたらこういう流れも出てくるかもしれないなぁ、と思ったりしてます。
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