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相変わらず「定点観測」としてはバランスが取れています:読書録「池上彰の未来予測 After 2040」

・池上彰の未来予測 After 2040
著者: 池上 彰
出版: 主婦の友社(Kindle版)

池上さんの作品は、「定点観測」的に読むことが多かったんです。
何か目新しいことが書かれているわけじゃないんだけど、現状や状況を整理してわかりやすく解説してくれるって言うところが便利だったので。
ただまぁあまりにも頻繁に出版されちゃうので、ここのところちょっとサボり気味…とさぼってる間に次の作品が出て手が出せなくなっちゃったと言う現状w。
それもなんだかなぁと思い直して、「未来観測」と言う観点から出された本書を久しぶりに手に取りました。


それぞれの視点から現状を整理しつつ、そこから2040年を未来予想して「明るい予想」と「暗い予想」を提示するスタイルになっています。
いやー、本当にこういう整理はお上手です。
未来予想図としては、もしかしたらちょっと手堅過ぎるのかもしれないですが、「共通認識として押さえておいた方が良いこと」と言う視点で言えば、合格点なんじゃないですかね。これ。


序章 未来を考えるための今と昔の話
Chapter01 仕事編 未来でも必要とされる人
Chapter02 教育編 未来を生きるわが子に必要なこと
Chapter03 自然災害編 災害大国日本で生き残るために
Chapter04 暮らし編 経済・少子高齢化は改善されるのか
Chapter05 健康編 生きるということ
終章 明るい未来は自分でつくる


現状の確認や事実認識と言う点を離れて、「池上さんの意見」と言うパートでは、僕個人としてはちょっとどうかなと思うところがなきにしもあらずなんですけどね。
そこら辺は世代の差もあるのかもしれません。
まぁでもそれってどちらが正しいってわけでもないですし、そもそもそれほど分量として多くはありません
あくまでも現状及びそこから考える未来予想と言うところに重点が置かれているので、池上さん個人の意見とは差があっても、特に問題なく読むことができます。
これだけの広い分野に一定の知見を持つっていうのは、普通の人にはなかなかできませんから本当にありがたくて役に立つ作品です。


しかし、池上彰さん、もう70歳を超えてらっしゃいますからね。
池上さんご本人がご活躍されるのはもちろんありがたいことなんですけど、そろそろこのポジションを担う次の世代が出てきてもいいんじゃないかと思うんですけど、なかなか見当たらないというのが現状でしょうか。
そういうスタンスを取ることが難しくなってきてのも確かにあるとは思います。
今回の都知事選なんかも、あれを仕切るのはのはなかなか…。
そういう意味で言うと、2040年の未来予想と言う点では、メディアのあり方というのが1番不透明で難しいところなのかもしれないなぁなどとも思ったりもします。
そこら辺の事は書かれてないんですよ。この本にはw。

#読書感想文
#池上彰の未来予測 After 2040
#池上彰

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