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刺激的な題名ですが、これは編集者の提案のようです。「気づき」を得るために読む本…でしょうか。:読書録「高学歴親という病」

・高学歴親という病
著者:成田奈緒子
出版:講談社+α新書

小児科医であり、脳発達を研究される学者であるとともに、子育て支援のための事業「子育て支援アクシス」を運営される作者による「子育て本」。
山中伸弥さんの同級生…というのが「売り」になっちゃってますがw、研究や医療経験だけでなく、広く支援実務をしておられるところが信頼感につながっています。
ご自身にも娘さんがいらっしゃりますし。

「ルポ 誰が国語力を殺すのか」が家庭環境の問題、特に経済状態に課題があって教育環境が歪になってしまっている家族の子どもの教育について問題意識があったのに対して、本作は「高学歴親」を題名に挙げている通り、経済的には課題は少なく、教育に対する意識も高い家庭について取り上げています。
まあ、「子育て支援事業」に助けを求めるような親っていうのは、もともと意識が高い人でしょうからね。
そして僕自身にとっても、こちらの方が「身近」な話になります。(妻も僕も大学出ですし、経済的に「困窮」しているわけではない)
もっとも現在息子は高校3年生、娘は高校1年生。
「今更」ってところは多いし、そういう意味じゃ「答え合わせ」的な色合いも少なからず…かな?w


作者が考える、こうした家族の子育てリスクは「干渉」「矛盾」「溺愛」。
それを認識し、乗り越えていくことで、子育ての「心配」を「信頼」に変えていく。
<子育ては「心配」を「信頼」に変える旅>
帯にあるこの言葉が全てを象徴しています。
「いやはや、そうだよな〜」
と我が身を振り返っても納得の一言。
子供の年代に沿って、「心配」と「信頼」の比率は変わって行って、「18歳」になったら、「信頼95%:心配5%」。
そこまでいけてるかどうかは…心もとないです。


研究者でもあるので、脳科学的な裏付けの話もあるのですが、メインとなるのは「アクシス」での事例やご自身の子育て経験。
ただ僕としてはその方が受け入れやすかったです。
個人的に「脳科学」については、チョット思うところがあるもので…w。(どこまで分かってるのか、疑問に思ってるところがあります)
挙げられてる事例を読みながら、
「これは流石におかしいだろう」
「う〜ん、僕にもこういうところはあるなぁ」
などと、あ〜でもない、こ〜でもないと考えながら読んでいました。


僕自身について言えば、「もう今更」ってところも多いんですが、それはそれとして、改めるべきところは意識して改めなきゃな…と感じるところがありました。
どうしても「干渉」しちゃうところがねぇ。
そこは意識したほうがいいだろうな、と。
もちろん「正解」が何なのかはわからないんですけどね。
だから結局のところは自分の人生観・教育観に響くところがあったかどうかってことなんだろうとは思います。
それでも「気づき」はいつだって求めた方がいいでしょう。
それ自体が「高学歴親の病」なのかもしれませんが…w。

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