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なるほど。面白い。:読書録「勘定侍 1〜4」

・勘定侍 柳生真剣勝負(一)〜(四)
著者:上田秀人
出版:小学館文庫


昨年は帰省できませんでしたが、今年は正月明けに数日間、家族で帰省しました。(オミクロンの感染状況を考えると、一週間ズレてたら帰れなかったでしょうね)
1月に82歳になる母は、幸いにも元気そうで、ホッとしたところ。

その母が、
「最近は時代小説の続きものを読んでる」
と話していました。
もともと読書好きで、ミステリー系の本をよく読んでたんですが、最近のミステリーは母の好み的には「ちょっと…」ってのも少なくないですからね(母の好みは「アガサ・クリスティー」)。
少し前に「宮部みゆきは時代物の方が面白い」と言っていたので、そこら辺から流れたのかもしれません。


小説を読むのは頭の体操としては悪くないと思っているので、それならいくつか見繕って…と思って手を出したのがこのシリーズです。
選んだ理由は、
①作者が時代小説の書き手として有名、②シリーズがまだそこまで長くない、③僕の「ヒーロー」柳生十兵衛が登場する(w)
ってあたり。
買ってそのまま送ってもいいんですが、僕も時代小説は嫌いじゃないんで(一時期はどっぷり池波正太郎でしたw)、まずは読ませてもらって…と読み始めました。


しかしまあ、これは確かに面白い。
柳生宗矩が大坂の陣の際に情を交わした女性から生まれた子供…ってのが主人公なんですが、商人となっていたこの子供を、宗矩が大名に出世した際、内政を見させるために急遽呼び戻したところから話がスタートします。
期待の「柳生十兵衛」はもちろん、宗矩・友矩・宗冬もメインキャラととして出てきますし、ここに徳川家光やら、幕閣の重鎮やら、歴史上の人物が絡んできて、「戦国から太平の世」に移り変わるなか、政治権力や経済のあり方が変わっていく社会を背景に、あれやこれやの駆け引きが繰り広げられます。


時代小説としては、
山本周五郎や藤沢周平ほど人の世の無情や儚さを描くわけでもなく、
池波正太郎みたいに人生訓や人間の矛盾について語るわけでもなく、
権謀術数を描きながらも、基本的にはユーモアがあって、明るい話になっています。
そういえば、母方の祖父(母の父)は山手樹一郎や吉川英治が大好きだったんですが(母の名前は「宮本武蔵」の「お通」から取られています)、割とその系統の話っぷりかもしれません。


「4巻」で主人公と老中・堀田正盛が対決。
まだまだ話はこれから…ってとこですが、う〜ん、続きが気になるw。
物語的には、今後「会津騒動」が絡んでくるはず。
柳生と会津騒動といえば「柳生忍法帖」。
意識してないはずはないですよね〜。
ここら辺もどうなるやら…。


まずはここまでで母には送ろうと思っていますが、続きはまた僕が読んでから渡すことになりそうです。
「5巻」は何時ごろ出るんだっけ…。



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