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トントンと読み進めることが出来ますが、意外に物語は進展しないw:読書録「百万石の留守居役 新参・遺臣・密約」

・百万石の留守居役 新参・遺臣・密約
著者:上田秀人
出版:講談社文庫

「百万石の留守居役」シリーズの3巻〜5巻。
1・2巻で酒井雅楽頭の謀略(加賀藩主を5代将軍とし、加賀藩を取り潰す)を前田綱紀・本多政長主従が潰し、その手足となった主人公(瀬能数馬)が江戸留守居役に任じられる顛末が描かれました。
このプロローグ編に続いて、この3編では「綱吉の将軍就任」までが描かれ、それを背景として幕府の最高権力者が「酒井雅楽頭」から「堀田正俊」に移行することになります。


堀田正俊ねぇ。
並行して読んでいる上田さんの新シリーズ「勘定侍」の敵役は、この堀田正俊の父親・堀田正盛。
権力を振り回す酒井雅楽頭が、意外にも主人(家綱)思いに描かれているのに対して、(今のところ)堀田正俊の思惑は相当に利己的。
作者は何か思うところでもあるんでしょうか、堀田家にw。


新しい将軍・権力者の登場で、場慣れしない主人公は江戸から遠ざけられる様子。
次からは「会津編」かな。
「保科正之」は好きな武士の一人だし、幕末動乱に翻弄される会津藩の気風は好もしいものを感じています。
作中では既に保科正之は逝去していますが、さて、どういう風に描かれるのか。
チョット楽しみ。


しかしスラスラ読めるのは良いんですが、物語の展開は遅いですね、この作品。
主人公の奥手ぶりも「どこまで引っ張んの、コレ」って感じです。
面白いから、良いんですけどね。



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