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スゲェまともな本なんですけど、変な「色」がついちゃったからなぁ:読書録「新型コロナウイルスの真実」

・新型コロナウイルスの真実
著者:岩田健太郎
出版:ベスト新書

ダイヤモンド・プリンセス乗船/追い出し(w)後のYouTube公開で議論を巻き起こした岩田医師の新著。
もう完全に「色」がついちゃって、Amazonの評(4/14時点)もひどいコトになっちゃってるw。


僕自身はYouTube公開前から岩田さんはフォローしてて、政府の取り組みを評価してたことも知ってたので(この点は本書でも変わりありません)、YouTube公開後も一貫して新型コロナウイルス対策については重視すべき発言者としてチェックしています。(主にTwitter)
ただまあ、日本的組織では嫌われもんになりがちな存在なのは確かなようで、僕も組織人なんで、岩田さんに反発する人の気持ちは分からなくもない。
分からなくもないんだけど、以降の事態の推移が「岩田さんのスタンスの正しさ」を証明しているのも確かではないか、と。


その点、「DPの何がいけなかったのか」について、本書は丁寧に説明してくれています。
現状と照らし合わせるなら、

①本来感染すべきでない医療関係者を感染させてしまうオペレーションだったこと
②専門家が戦略・オペレーションに責任と権限を十分にもたらされておらず、官僚・政治家等の机上の合理性(ダメだったんだけど)で対応がされてしまった
③状況が思惑から外れた時の「プランB」がなく、「プランA」への固執、事実の曲解、隠蔽がなされ、政府・省庁への信頼度を提げてしまった

…ってあたりでしょうか。


本書が書かれたのは3月中旬(後書きは23日)。
従って状況はそこから変化してきています。
本書で作者が懸念する状況に、少なくとも東京・大阪は踏み込んでいる感じ。
基本的に政府・専門家会議の方針を支持しつつ、いくつかの点で懸念を作者は挙げていますが、そこが表面化している状況とも言えるでしょうか?(専門家会議はその点を理解しており、数字の公表等に動いています)


<新型コロナウイルスの感染を完全に回避する方法が、一つだけあります。それは家に引き籠ることです。
家から一歩も出ない。部屋から一歩も出ない。誰にも会わない。これを貫けば感染はしませんけど、こうなったら、もう一種の病気です。すごく不健全な状態だと思います。>


まあ「部屋から出ない」にはなってないけど、「家から出ない」にはなってきてます。
状況の進展を踏まえて「そのステップ」と評価されるのか、「チョットやりすぎ」と思われるのか。
ここはチョット聞いてみたいですね。(8割おじさんの発言は評価されてるので、否定はしてないと思います)


本書には「新型コロナウイルス」に関して「基本情報」「感染の仕方」「感染予防」「PCR検査・抗体検査」等、わかりやすくまとめられています。
そういう情報を知りたい人や、僕のように立ち止まって整理したい人にとってはすごく役に立つと思います。
ダイヤモンド・プリンセスの評価についても、(上述した通り)現状につながる部分もあるので一読に値するかと。ま、その後の岩田さんのアクションについてはともかくw。
なんか「便乗商法」みたいなこと言ってる人見かけますけど、正直、今出さなくてどうすんだ…って本です。


一点。
マスクに関しては岩田さんは「症状がある人がつければいい」とのスタンスであり、そう書かれています。Twitterでもしつこくしつこく絡まれていて(しかしなんで日本人はここまでマスクに固執するのか…)、丁寧に回答されてますが、基本的な考えは今も変わっていません。
ただこの点は僕は若干意見を異にしていて、「今はつけたほうがいい」派、です。
別に岩田さんに反対するわけじゃなくて(考えは同じです)、

①自分が感染してるかどうか分からない
②完全な咳エチケットの履行に自信がない
③社会的な同調圧力が面倒くさい

からです。
「③」は岩田さんも同じようですがねw。
ま、ここは枝葉末節。

2020.04.14 21:00追記
以下の岩田さんの最近の文章を読んで現状評価についてスッキリ。

https://georgebest1969.typepad.jp/blog/2020/04/緊急事態宣言はロックダウンではないは詭弁.html


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