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僕は嫌いじゃないです。:映画評「決算!忠臣蔵」

あまりヒットはしなかったのかな?
でも予想してたより僕は楽しめました。

「大石内蔵助」については色々な見方があります。


・<仇討>を胸に秘め、着々と計画を進めていった
・<お家再興>を第一に取り組んだが、その目がなくなって<仇討>に切り替えた
・<再就職>を目的に<仇討>を仕掛けた(結果、切腹となり、目論見は外れた)
・本人にその気はなかったけど、下級武士たちに突き上げられて、流されて<仇討>をした
etc,etc


まあ、史実がどうなのかはわかりませんが、どの見方でも「それなり」の根拠はありそう…ってあたりが「忠臣蔵」の面白いところですかね。


本作の「大石内蔵助(堤真一)」は「<お家最高>を第一に取り組んだけど、その目がなくなって…」組。
結構周りの意見に影響されるところもあって、「芯が通っている」とは見えない印象w。
「番方(武力担当)」「役方(政務・財務担当)」の対立が本作のテーマの一つですが、内蔵助は「番方」代表で、ちょっと考え足らず…ってキャラでもあります。


その「大石内蔵助」を主人公に、「忠臣蔵」を<経済(金勘定)>の視点から描いたのが本作。
ちゃんとそういう観点から研究した原作をベースにしているようです。
(以前、ビートたけしが内蔵助を演じたドラマに、ちょっと似たのがあったかな?)
「赤穂城引渡し」から「討ち入り」まで、ギリギリの金勘定でやり切った…って史実が面白く脚色されています。
瑤泉院との別れのシーン(決算報告書の提出w)は確か史実、瑤泉院が遺児の赦免活動に奔走したのも実際らしいのですが、それを愚痴っぽく語らせるラストなんかも、笑わせてくれました。(石原ひとみが良かった)


本作の不評の原因は、一つは吉本芸人の登用でしょう。
吉本が制作に入ってるから…ってのがあるからでしょうが、僕自身はそんなに悪くないんじゃないかなと思いましたけどね。
西川きよしの「大野九郎兵衛」とか、好きです。

ただ「岡村隆史」の扱いは、ちょっと失敗してるかな。
ポスターとか見ると、岡村さんは討ち入ったメンバーの1人で、堤真一とダブル主演…って印象ですが、本作でも史実でも、「途中退場」してるんですよね。
その「退場」に意味づけはあるんですけど、それでもポスターの扱いはちょっと「やりすぎ」。
作品としても退場後の方が盛り上がるし、面白いので、ここのところは違和感のある扱いになっちゃってます。

…とか言って、僕も封切りでは観なかったし、観る気もありませんでした。
Netflixに入ってきたので、観てみたら「案外これは…」というトコロです。
あんまり偉そうなことは言えませんなw。



#映画感想文
#決算忠臣蔵
#堤真一
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