そして蟻になる。
夏のあいだにプレゼン&ロケハンしたあの浜へ、
いまひとたびの砂丘行きである。
前回はほとんど手ぶらで気楽なロケハンだったけど、今回は本番である。
重たい荷物が両の肩に食い込み、一歩踏み出す毎に柔らかな砂の中に自分の足が沈み込む。
傾斜に差しかかるともはや自分の足を持ち上げることすらままならない。おたおたしているうちにどんどんずり落ちていく。
あかん、もう一歩たりとも進めない。
諦念、の2文字が頭を横切っていく。
砂丘の斜面を登る途中で、わたしは蟻地獄に落ちた一匹の蟻と化した。
なるべく軽装で、
とあらかじめ釘を刺されていたにもかかわらず、自分のカメラをこっそり2台も持ち込んでいたのだからそりゃもう自業自得なのである。
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