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せっかく、渋谷でRunTripに出演させていただいたので。

今回ご縁に恵まれまして、昨日のお昼に”渋谷のRunTrip”にゲストとして出演させていただきました。
そこでお話させていただいた内容に補足ができればと、まだ熱が冷めないうちにまとめてみました。目を通していただければ幸いです。

【そもそもどうしてマラソンを走り始めたの?】

まず、よく聞かれるこの質問。昨日のラジオでもかるーくお話したのですが、ちょっと詳しく書きます。

わたしは人生で一度も運動部に所属したことがありません。中学校と高校では美術部とガーデニング同好会の掛け持ち、大学でもピアノサークルと、運動からは何億光年離れているかわからない程の遠くに位置していました。ちなみに大学に入学した頃の体重は48kg、大学雑誌のモデルをやらせて頂いたり、ルックスはそこまで悪くなかったと思います。

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(今や別人の写真です…)

転機は大学2年生で訪れました。その当時付き合っていた彼氏に二股をかけられ振られ、わたしは合コンや夜遊びに走ることに。そこで出会う食事たちを掃除機のごとく吸い込む女になります。合コンやお食事会(笑)に出席すると「いい食べっぷりだね〜!」「お口がダイソンなのかな?」と評されていました。

そんなこんなで大学3年生の春の新歓期、わたしはサークルに先輩風吹かせて顔を出していました。そこで”デブ”の愛称で慣れ親しむ友人と久々に顔を合わせました。彼の体重は当時180kgオーバー(だったはず…)ラーメン二郎のマシマシを15分で食べ切る口の持ち主です。そんな彼がわたしへ宛てた一言がこちら。

「お前顔の周りに肉つきすぎて口の動き鈍くね?めっちゃ太ったな。」

あの日の衝撃は今だに忘れません。デブにデブと呼ばれる日がくるなんて。完璧に動揺しました、この感情を英語ではupsetと表現するようです。

ちなみにその当時のわたしの顔がこちら。まんじゅうです。

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すっ飛んで帰宅して体重計に乗ると、電子板が63kgと残酷な数字を教えてくれました。これは痩せなければ。最近合コンにそこまで誘われなくなった理由はこれだ。

ここでわたしは人生で初めてのダイエットを決意します。
お米とマブダチなわたしの脳内に、炭水化物抜きダイエットや夜ご飯抜きダイエットなんて言葉はそもそも浮かびませんでした。
そこでジムに通うことを決意したわたし、友だちにお勧めされた青山や六本木のジムをGoogleで調べわかったことは、わたし、こんなお金、ない。さすが港区、全てが高級です。
さてはて何かいい方法はないか…と考えているとスーパークリエイティブなアイデアが思いつきました。

道走るの無料じゃん!

これがわたしが走り始めた理由です。全くもって不埒な理由。高貴さのかけらもありません。
そこから毎日5kmくらいのランニングを始め、同年の12月にここまで体重を落としました。

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そして2015年12月、友だちとの旅行でハワイに飛んだとき、またもや転機が。

その週にちょうどホノルルマラソンが開催されると小耳に挟んだわたしたち。

友だち「ゆうり最近ランニングしてるんでしょ?思い出作りに出場したら?笑」
ゆうり「うける〜!まあいけるんじゃね?うちらギャルだし。まじちから💪( ˙◡˙💪)」
友だち「え、うちは出ないよ、フラペ飲んで待ってるから。ゴールあたりで写真めっちゃ撮ってあげる♡」

これがマラソンに出場したきっかけです。それまで走った最長の距離は5kmでした。
なんとか完走したのですが完走タイムは6:20:57。もうぼろぼろです。ゴール直後はもう絶対走るもんか!と思ったりもしたのですが、労ってくれた友だちがディナーで発した言葉がわたしに火をつけました。

「でも女性の平均タイム5時間15分らしいよ。ゆうりババアに負けてんじゃん。」

これが今のわたしになるきっかけの言葉です。なかなかに口が悪いです。このきっかけから、どうしてここまで海外マラソンにどっぷりヤク漬け級にハマってしまったのかは、また別のところでお話できたらと思います。


【海外マラソン初心者の人にオススメ!ストックホルムマラソン】

ストックホルムマラソンは、スウェーデンの首都のストックホルムのど真ん中で開催されるビッグなレースです。毎年5月の最終日曜日か6月の最初の日曜日に開催されており、参加者は2万人くらい。レースに参加するための抽選はなく、完璧な先着順です。わたしの参加した2018年はレースの2週間前に、ついに枠が埋まったぞ!と運営からのメールが届きました。スウェーデンというと北欧の穏やかな感じを想像しますが、EDM界を代表するDJの一人、アヴィーチー(Avicii)の出身地でしてEDMがかなりポピュラーな模様。そのため前日のEXPOや当日の準備サイトでもガンガンEDMが流れていました。レース中にもDJブースはたくさんあって、数キロ走るとDJブースに当たる状態です。DJの供給過多がすごい。

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コースはストックホルムをぐるーっと舐め回すように回るコース。あの魔女の宅急便のモデルとなったと呼ばれる景色は最高に美しく、めちゃくちゃ写真撮りまくりました。とりあえず建築物が全部麗しゅうなのです。ただコースを通して比較的坂道が多いのがややネック。しかしここは海外マラソン。4時間台でゴールするくらいのペースで走っている場合、上りでも下りでも坂道に遭遇するとほとんどのランナーが歩きます。2018年は6月初旬にも関わらず気温が30度を超える大熱波が到来していたからかもしれません。でも安心してください、基本的な雰囲気は緩いです。エイドステーションでもみんな足を止めて、水やペプシをがぶ飲み。しかも野菜スープやコーヒーの供給とかもあり、訳がわかりません。マラソン中にホットコーヒーを飲むランナーがいるのでしょうか。

ゴールはストックホルムオリンピックスタジアム内。大勢の観客がランナーを出迎えてくれます。この盛り上がり、熱気はなかなか出来ない経験だと思います。

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ストックホルムは公共の交通網が発達しているので、スタート地点やゴール後も速やかに電車での移動ができます。しかもICカード対応の改札なので切符を買う際に揉めたりもしません。
また国民のほとんどが英語を話せるので、何か困ったことがあっても簡単に助けを呼べます。

海外レースに興味はあるけど、どれがいいかわからない…の状態のランナーにお勧めのレースです。

【海外マラソン初心者の人にオススメ!その2!ベネチアマラソン】

ベネチアマラソンは、イタリアの水の都ベネチアで開催されるなかなかにビッグなレースです。毎年10月の最終日曜に開催されているようです。参加者上限は8000人、抽選はなく先着順です。2019年は快晴で最高のレースだったのですが、2018年はベネチアは完全に水没し、膝丈ほどの水かさの中で走らないといけない過酷さを極めるレースであったようです。イタリア人は陽気と言われますが、本当にその通り。とりあえずハイタッチや声かけは当たり前、カメラを向けるとポーズを絶対に撮ってくれるあたりサービス精神が高い…!沿道でズラーっと並ぶ観客は、ほとんど途切れることなくゴールまで続きます。

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コースはイタリア本島のビラパサーニ博物館からベネチア本島まで走るコースです。観光ではなかなか訪れないであろうベネチアを見つつ走ることができます。何キロかごとにミュージックポイントがあって、そこでローカルのバンドさんが演奏しながら応援してくれます。ハイタッチしてくれるボーカルさんもいます。基本的にフラットなコースで走りやすいのですが、ラストスパートのベネチア本島に入ってからは橋が多いので、ゴールまでのアップダウンが多いです。でもさすがディズニーシーのモデルになった地、圧巻の景色を最後に魅せてくれます。

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ベネチアマラソンは運営がスタート地点までの、ゴールした後も中央駅までのシャトルバスをしっかり用意してくれているので、それにさえ乗車すれば何も困ることはありません。2018年までイタリアでレースに参加するときは、英字の健康診断証明書が必要だったのですが、2019年の法改正により不要になりました!困ったことがあっても、基本的にみんな陽気なので助けてくれます、安心しましょう。ただし水没したときはレースの難易度が格段に上がると思うので、そこは運次第です。

【アフリカの大自然と親しむルワマガナチャレンジレース】

ルワマガナチャレンジレースはルワンダの首都キガリから車で1時間ほどの距離にあるルワマガナ県で開催されるレースです。ルワマガナに辿りつく方法も分からぬままキガリ空港に降り立ったわたし。右も左もわからないままにSIMカードショップで仲良くなったノエルさんにルワマガナまで送って頂ける神展開に恵まれました。フルマラソン参加者人数は18人、しかもその半分以上が外国人と、めちゃくちゃ少数レースでした。7kmと10km、ハーフマラソンの参加者はかなり多く、500人くらいはいたと思います。このレースはマラソン大会の概念を一度捨てたほうが良いレースでした。まずゼッケンは布ゼッケンで要返却。タイミングチップなんてハイテク機械はもちろんありません。そして給水所の少なさ。5km、10km、21km、42kmにあると前日にアナウンスされ、否めない圧倒的個数不足感。震えます。ホテルも県に1件しかなく、海外からのランナーは自動的にそこに集結、そこでまさかのJICAで活動している日本人団体にお会いすることができました。こんなところに日本人状態です。

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レース当日、給水所は少ないかながらもスタート地点に音楽には命をかける運営団体。朝からミュージックが爆音で流れます。そして流石アフリカ、ダンスセレモニーが開催、ちびっこ達がこぞって踊っていました。爆音のミュージックのせいでスタートの合図が聞こえないハプニングも発生しましたが、そこはご愛嬌です。
レースはルワマガナの中心街をぐるっと一周した後に、違う県まで農村部をひたすらに走り戻ってくるコース。コースのほとんどが赤土で、ほとんどが上り坂か下り坂です。それでも近隣の住民が沿道で応援やら写真撮影やらをしてくれ、ちびっ子達が並走し始め、もう何が何だか状態だったのですが、総じて飽きはしないレースでした。懸念だった給水所はラジオでも紹介した通り、車からの配給になりました、ありがとうございます。

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あまり知られていないかもしれませんが、ルワンダでは1994年に国内で大虐殺が起き100万人の国民が命を落としています。今だに土を掘れば人骨が出てくることもあるそうです。その大虐殺を乗り越えて、ルワンダは発展を進めているところです。マラソンは42.195kmの距離の安全が確保できなければ開催ができません。マラソンが開催できるほどルワンダの平和は取り戻されていると考えると、このマラソンの開催には大きな意義があるのではないでしょうか。

【気分はアイドル!サルトグランデマラソン】

サルトグランデマラソンは、ウルグアイとアルゼンチンの狭間の街、サルトで開催されるローカルレースです。一応9月の中旬に開催されているよづえす。参加者は100人程度、エントリーは1週間前まで可能でした。なぜかエントリー費がrapipagoと呼ばれるアルゼンチンのコンビニ支払いのようなものでしか支払いができず、揉めに揉めました。マラソンホームページにて参加者リストが誰でも閲覧可能といった個人情報保護も何もないオープンなマラソン大会で、私が出場することで「日本人がくる!」と運営団体はめちゃくちゃ盛り上がっていたようです。EXPOの際も写真撮影を頼まれました、気分はまるでアイドルです。

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コースはスタート地点はウルグアイでゴール地点はアルゼンチンにと、走っている途中に国境を渡るコースです。パスポートコントロールに関しては、運営側がうまいことやってくれます。前日にパスポートを預けておくと、出国と入国のスタンプを代理で押しておいてくれます。日本だと難しい話ですね。こちらのレースは超がつくほどローカルレースなので、交通規制はなし。車が走ってる横をずんずん通り過ぎていきます。通り過ぎる車がクラクションを鳴らして応援してくれるのも醍醐味です。もはやトレイルランの括りになるのではないか…と考えるほどアップダウンが険しく大変でした。それでもボランティアの子供達やランナーに「一緒に写真撮ってよ!」と頼まれたり、お話しながら走ってアイドル気分でマラソンを走れました。

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【過酷すぎる!ベトナムジャングルマラソン】

ベトナムジャングルマラソンは高低差最大で900m、湿度100%、気温は35度を超えるベトナムのジャングルで開催されるレースです。そもそもの過ちとして、これがトレイルランニングと知らずにエントリーしたことが挙げられます。レースの1週間ほど前に、このレースがトレイルランニングだと気付き、そこからはAmazonプライムとお友だちでした。

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このレースは70km、55km、42km、25km、10kmの5レースがあり、わたしは42kmに出場しました。42kmのスタート時刻は朝5時だけれども、スタート地点はキャンピングサイトからバスで2時間ほどかかるため、朝3時にはキャンピングサイトを出ないといけません。ここからして過酷さが伺えました。そしてスタートしてからは15kmくらいまでは和気藹々としていたのですが、20kmくらいを過ぎてからランナーの顔から笑みが消え失せ始めます。25kmの給水ポイントではテンションの高いミュージックコンポを背負って走るスコットランド人以外無言でした。”危険だから気をつけろ”と看板が立ててある山道を登っている時には、自分より2倍以上はあるガタイのいい白人のおじさんが辛すぎて泣いていました。疲労困憊のスペイン人に「ヘイ、ガール!何か甘いもの持ってない?」と聞かれたのでブドウ糖を手渡しました。めっちゃ美味しそうに食べるなあと思っていたら、そのスペイン人はいきなり寝転んでお昼寝タイムに。最初死んだかと思いました。

レース中、川に半身滑落したり田んぼには完璧に滑落して、全身泥まみれでのゴール、10時間ほどかかりました。

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後日談としてはこの翌日にわたくし下痢、腹痛、発熱、筋肉痛にぼこぼこにされることになりました。そのため日本に帰国して早々にお医者さんに行ったのですが。

お医者さん「いままでご自身の異様な回復力でカバーできていた部分がカバーできなくなったのですね( ˘ω˘ )」
わたし「異様な回復力」
お医者さん「過度な運動による内臓疲労からきていると思います、お熱はかりましょう。」
わたし「いやだ!お熱ない!会社行く!」
お医者さん「うーん、38度!絶対安静!」

という結果になり点滴もしました。なのでみなさん、トレイルランの長距離レースに出場するときは事前準備をしっかりしましょう。

【ホテルの人の優しさに泣いた!大邱ハーフマラソン】

大邱ハーフマラソンは、韓国第三の都市である大邱で開催されます。こちらフルマラソンも開催されているのですが、フルマラソンはプロランナーのみしかエントリーが出来ないようでした。韓国のマラソンはエントリー締め切りが他の海外マラソンに比べて早く、レースの1ヶ月前には締め切ってしまいます。わたしも慌ててイスラエルでエントリー作業をしました。正確な参加者数はわかりませんが、1000人を超えるランナーはいたように思えます。

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このレースは大邱の中心地をぐるーっと回るコースでした。沿道にはチマチョゴリを着た応援団のみなさんや鼓笛隊やらオーケストラがずらっと並んでいるので飽きません。

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そしてわたしには実は目標というかですね、どうしてもクリアしなければならないタイムがありました。
”2時間以内で完走する”ことがほんとに必須だったのです。どうしてかって?計画性のないわたしはマラソン完走後にソウルに旅立つことにしたため(マラソン前日に決めた)、大邱のホテルを11時までにチェックアウトしなければいけなかったのです。スタート時刻が8時15分、ゴールラインからホテルまで徒歩で10分なことを考慮すると、11時のチェックアウトに間に合わせるためには2時間以内にゴールは必須…ということで、わりと本気で走りました。いつもだったら動画とか写真をたくさん撮ったり、各国のランナーとおしゃべりしながら走るんですけど、もうそんなことしてたら間に合わない!給水ポイントにもそんなに目をくれず、めちゃくちゃ急いで走りました。

結果としてタイムは1時間50分ほど、これなら余裕でチェックアウトに間に合います、なんならシャワーの後にしっかり髪の毛も乾かせちゃいます。しかしですね、ここで予想外の事態が…!
ボランティアのスタッフがなにやらこっちに向かってくるなと思ったら

”Congratulations! You got 3rd place!”

と伝えられ。んんん!?( ˘ω˘ )この展開は予想していなかったぞ…!

話をよくよく聞くと、ハーフの女性部門で3番目だった模様で、賞金の授与とかがいろいろあるからちょい待ちとのこと。いやいや!待ってられないんだけど!?そんなわたしの声は届かず、3位確認サインやら賞金受け取りやら手続きやらで、結局すべてが終わったのは11時…ほんとに詰みました。

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しかしわたしのホテルのオーナーさんが聖人君子でして、怒られる〜と震えて帰ってきたわたしに”Don’t worry! Take your time!”と言ってくれました。おかげでちゃんとシャワーも浴びれました、ほんとに足をむけて寝れません。みなさん、大邱に行かれるさいには、ぜひ”Bomgoro Guesthouse”へ宿泊してください。オーナーさんが神です!


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