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書記の読書記録#617『ナチスと自然保護: 景観美・アウトバーン・森林と狩猟』

フランク ユケッター(翻訳:和田 佐規子)『ナチスと自然保護: 景観美・アウトバーン・森林と狩猟』のレビュー


レビュー

自然保護というのはある種のトレンドがあり(今ならSDGs),ナチス時代もその例外ではない。本書では自然保護活動と当時の政治との関係がまとめられている。


もくじ

日本語版『ナチスと自然保護』によせて 
用語について 

第1章 ナチス時代の自然保護主義者たち――追及されるべきは誰なのか
帝国自然保護法の衝撃
欧米各国の自然保護
総統のために働く
自然保護運動とナチス政権

第2章 歪む愛国主義――ゲルマン民族にとっての「土地」
自然保護のルーツ
異なる起源と共通の動機
右派思想の受容
自然保護に対する温度差
複雑な距離感
民族思想への態度

第3章 最高潮を迎えたドイツ自然保護――理想の実現に向かって
プロイセンの失敗
ナチスからの圧力
景観策定の試み
動物保護法への期待
全体主義への密かな抵抗
帝国自然保護法の影響力
帝国自然保護法第二四条
迷走する森林保護
自然保護ネットワークの拡大
景観保護の攻防

第4章 自然保護の可能性と限界――4つの事例
ホーエンシュトッフェルン山
ルートヴィヒ・フィンクの嘆き
採石事業か環境保護か
豹変するフィンク
ナチスの介入
採石場閉鎖へ
ショルフハイデ国立自然保護区
ヘルマン・ゲーリングの思惑
種保存の取り組み
注ぎ込まれる金
狩猟場としての自然保持
エムス川流域調整事業
洪水との戦い
時代による後押し
アルベルト・クライスの「意見書」
帝国自然保護法の矛盾
ヴータッハ峡谷
シュールハメルの手法
水力発電事業との攻防
暗躍する自然保護主義者たち

第5章 ナチスとの蜜月の終わり――それでも自然保護活動は続く
多様化する活動
自然保護ブームの到来
近づく両者
活動の形骸化
東部総合計画
保護活動のジレンマ

第6章 変貌を遂げた景観――ナチスが残したもの
アウトバーン建設
ナチス効果はあったのか
オーバーザルツベルクの顛末

第7章 継続と沈黙と――1945年以降の自然保護と環境政策
立ち上がるクローゼ
帝国自然保護局の運命
自然保護の精神とは
東西ドイツの振る舞い

第8章 教訓――ナチス時代から学ぶ

附録
謝辞
参考文献

索引
訳者あとがき


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