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書記の読書記録#27「数学序説」

吉田洋一・赤攝也「数学序説」のレビューと読書記録


レビュー

教養の数学」と銘打っており,幾何学から確率論まで,数学が発展していった歴史とともに振り返るような本。

これを読んだところで数学ができるようになるかはわからないが,全体を俯瞰するための思考体系を身につけるには良いと思う。むしろ文系向け(公理主義に対する議論とか,逆に文系の方が得意なのでは?)。

決して簡単な本ではない,大学教養レベルを要求される点もあるが,その読みやすさゆえ推薦。


読書記録

# 1p17〜88
・パスカル「説得術について」:定義,公理,論証・ギリシア幾何学・エウクレイデス「原論」・ピュタゴラスの定理・正しい推論の形式・三角法:sin,cos,tan・余弦定理,正弦定理・フェルマとデカルトの解析幾何学へ・インド人の数学:位取りの原理,零の発見・代数学:方程式を解く・アラビア人による幾何学と代数学の並立・二次方程式,三次方程式における,根と係数の関係


# 2p89〜180
・解析幾何学の理念:点の座標,座標の間の関係式・直線の方程式,グラフ,方向係数・平行と直角・必要条件と十分条件・フェルマの最終定理・円錐曲線:楕円,放物線,双曲線・アポロニオス,円錐の切り口,パッポス・接線の書き方:フェルマ,バロウの方法・ニュートンの流率法・微分法・関数と導関数,極大極小・コーシーによる極限の導入・関数の連続,不連続


# 3p181〜260
・積分法と面積・取り尽くしの方法,アルキメデスの原則・不定積分・微分積分学の基本定理・平均値の定理・ロバチェフスキの幾何学,リーマンの幾何学・パスカルの定理,デサルグの定理・ヒルベルトをはじめとした公理主義:公理系の無矛盾性・独立性,範疇性,分類,特徴づけ


# 4p261〜371
・虚数,複素数の導入・体の概念・代数学の基本定理・5次以上の方程式は代数的に解けない・2つの体の間の次数・作図問題と代数学の対応・代数系:群,体,環・抽象代数学・実数の連続性・有理数の切断・大小の順序・可付番集合・集合論・集合の濃度


# 5p372〜467
・実数概念の無矛盾性・ペアノ公理による自然数本来の概念・数学的帰納法・ラッセルの背理・ヒルベルトによる有限の立場・一般構成規則,一般帰納法・証明論,論理記号による記述・命題,推件式・ラッセルの論理主義,ブラウアーの直観主義・確率論,公理系の設定・確率空間・危険率と推計学


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