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書記の読書記録#85「ファンダメンタルな楽曲分析入門」

沼野雄司「ファンダメンタルな楽曲分析入門」のレビューと読書記録


レビュー

本書の狙いが,いわゆる現代音楽に向いていることは明らかである。ただ分類をこねくりまわすのでなく,そのFundamentalな部分から分解再構築をするという流れ。文章は時に乱雑だが,その示唆する内容は割と面白い。楽曲分析の例について,短い曲で手元でもやりやすいのはありがたい。


読書記録

# 1p3〜62
・分析:再統合の重要性,価値判断の根拠にならない・グルーピング・音価,音高,音色・繰り返し反復,回帰反復・3部形式の魅力・3部形式の分析例:ベートーヴェン「ピアノソナタ第25番」より第2楽章・criticism・歴史的背景の導入の是非・分析と実践


# 2p63〜116
・事後的に発明されたソナタ形式(マルクス「作曲法教程」)・2部形式と3部形式のせめぎ合い・事例:ベートーヴェン「ピアノソナタ第25番」より第1楽章・形式史:グレゴリオ聖歌,ルネサンスと娯楽的感覚,バロックと対比,古典派とソナタ,ロマン派以降の拡大と縮小


# 3p117〜171
・現代音楽の分析例:ヴェーベルン「子供のための小品」,ペンデレツキ「広島の犠牲者に捧げる哀歌」・12音技法・テクスチュア・アーチとボレロ・タイトルの由来・グラフィックな記譜法


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