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書記の読書記録#239「恋する原発」

高橋源一郎「恋する原発」のレビュー


「戦後文学の現在形」収録作。


レビュー

つまらなくはなかったのだが,わざわざ現代でやることか?と疑問(作者について何も知らないで読んだら,今更ポストモダンもどきですかって思う)。不謹慎なことは結構なのだが,結果として不謹慎を目的にしている気がする。結局は固有名詞のインパクトには勝てないのだ。

メタフィクションなのかパロディなのか,いずれにしても文学表現には限界がある。それに対する悲しみがこういった作品の原動力なのだろう。


あなたは、この小説に、賛成ですか、反対ですか?
―表現の自由をかけた過激な言葉の羅列。原発事故がもたらした日本の混乱に鋭く切り込み、私たちが人間であるために、そして、人間である意味を問う、愛と悲しみの超エンターテインメント―東日本大震災の被災者たちを救うため、チャリティAVを作ろうと制作スタッフが立ち上がった。その前に立ちはだかったのは現代ニッポンのモラルと言葉の厚い壁だ。制作会社の社長も、監督も、自分自身の人生と生活をかけて、プロジェクトに挑む。そして、元72歳のAV女優・ヨネさんの福島で行われた葬儀で、スタッフは姪のヨシコさんに再会する。郷里は放射能汚染で帰れない。
そこに、近所の小学生サオリちゃんがやってきた。ヨシコさんとサオリちゃんは愛の問答を開始する。
 過激な表現のなかに優しい詩情が入りまじるストーリーと、想像を超えた美しい結末が感動を呼ぶ渾身の長篇小説。放射能に汚染された時代に、表現の自由をかけて挑んだ現代日本小説の勇気と愛!

引用:


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