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書記の読書記録まとめ

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今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
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#数学

書記の読書記録#445『数学ロングトレイル 「大学への数学」に挑戦』(全3冊)

山下 光雄『数学ロングトレイル 「大学への数学」に挑戦』(全3冊)のレビュー レビュー主に整数論,不等式,線形代数の初歩を題材とした本で,単に受験問題を見るよりも広い視野を得ることができる。 (2022/11/12追加:続編はそれぞれベクトルと関数に特化しており,主に中堅レベルの演習に良い) もくじ第1章 整数論の基礎・互いに素 第2章 数列を視る 第3章 フィボナッチの数列 第4章 ペル方程式と近似分数 第5章 有名不等式の周辺 第6章 相加平均・相乗平均の不等式 第7

書記の読書記録#432『アートで魅せる数学の世界』

岡本 健太郎『アートで魅せる数学の世界』のレビュー レビュー数学の美しい性質について,Excelを通じて身近に体験できる良書。数学の知識は要求されないが,群論,グラフ理論,トポロジーなど知っているとより楽しめる。 もくじ第1章 黄金比の数理 1.1 黄金比とは 1.2  2次方程式と黄金比の歴史 1.3 貴金属比 1.4 五芒星と黄金比 1.5 黄金比が現れる問題 1.6 フィボナッチ数と黄金比 1.7 植物と黄金角 第2章 幾何学模様の数理 2.1 折り紙の歴史

書記の読書記録#179「論理と集合から始める数学の基礎」

嘉田 勝「論理と集合から始める数学の基礎」のレビュー レビュー本書は,以下分野の入門のためと読み物あるいは副読本として扱うことにする。 →命題代数/述語/集合代数/写像/2項関係/順序集合/同値関係/商集合/有限集合/可算集合/論理回路/帰納法 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#143「はじめての数論 原著第3版 発見と証明の大航海‐ピタゴラスの定理から楕円曲線まで」

Joseph H. Silverman(訳:鈴木治郎)「はじめての数論 原著第3版 発見と証明の大航海‐ピタゴラスの定理から楕円曲線まで」のレビューと読書記録 レビューー主な話題 ・ピタゴラス数 ・合同式 ・素数の判定法 ・平方剰余 ・ペル方程式 ・楕円曲線 本書で要求される事前知識は高校数学までで,ピタゴラス数に始まり暗号理論の背景である楕円曲線まで一気に解説される。本格的に数論を学ぶための準備として使えると思う。 読書記録# 1p1〜52 ・既約ピタゴラス数の定理,

書記の読書記録#60「ドクター・ハルの折り紙数学教室」(2022/03/03追記)

T.ハル「ドクター・ハルの折り紙数学教室」のレビューと読書記録 レビュー折り紙と数学を指す用語に「オリガミクス(origamics)」というものがあり,それは折り紙(origami)に数学(mathematics)などの学術・技術を表す語尾(-ics)を合わせた造語で,芳賀和夫により提唱されたものである。本分野は日本人も多く活躍しており,芳賀定理をはじめとして,前川定理や川崎定理,三浦折りなど,さまざまなものがある。 本書では本格的な折り紙の数学を扱っており,全30のプロ

書記の読書記録#31 「群論入門 対称性をはかる数学」

芳沢光雄「群論入門 対称性をはかる数学」のレビューと読書記録 レビュー同著書のブルーバックスの本を以前に読んだ。 本書は群論について,主に具体例から導入している(例:偶置換と奇置換をあみだくじや15ゲームで説明)。厳密性は専門書に任せるところとして,導入という意味合いでは「離散数学入門」よりも方向性が分かりやすかった印象。 読書記録# 1p12〜68 ・集合,写像の用語・あみだくじによる置換の説明・偶置換と奇置換・合成置換・15ゲームの完成:偶置換であること・対称群,交

書記の読書記録#27「数学序説」

吉田洋一・赤攝也「数学序説」のレビューと読書記録 レビュー「教養の数学」と銘打っており,幾何学から確率論まで,数学が発展していった歴史とともに振り返るような本。 これを読んだところで数学ができるようになるかはわからないが,全体を俯瞰するための思考体系を身につけるには良いと思う。むしろ文系向け(公理主義に対する議論とか,逆に文系の方が得意なのでは?)。 決して簡単な本ではない,大学教養レベルを要求される点もあるが,その読みやすさゆえ推薦。 読書記録# 1p17〜88 ・