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書記の読書記録まとめ

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今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
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2023年1月の記事一覧

書記の読書記録#764『音と音楽の科学』

岩宮 眞一郎『音と音楽の科学』のレビュー レビュー一つ一つのテーマについて軽く触れた程度の読み物,後ろ3章(映像メディアにおける音の役割,第9章 サウンドスケープ,第10章 音のデザイン)については入門としては使えるか。 もくじ第1章 音と聴覚のしくみ 第2章 音の物理と心理 第3章 音楽のしくみ 第4章 音の空間性 第5章 オーディオ機器の歴史と原理 第6章 楽器の分類とそのしくみ 第7章 電子楽器からDTMへ 第8章 映像メディアにおける音の役割 第9

書記の読書記録#763『初めて学ぶPID制御の基礎』

江口 弘文『初めて学ぶPID制御の基礎』のレビュー レビュータイトルにあるPID制御の解説は最終章で簡単に扱われるのみで,基本的には古典制御の教科書と思ったほうがよい。 もくじ第1章 制御工学とは  1.1 制御ということ  1.2 制御工学発展の歴史  1.3 制御系の構成      練習問題 第2章 ラプラス変換  2.1 複素数  2.2 ラプラス変換  2.3 ラプラス変換の諸定理  2.4 ラプラス逆変換      練習問題 第3章 システムのモデル化  3.1

書記の読書記録#762『ゼロからはじめる音響学』

青木 直史『ゼロからはじめる音響学』のレビュー レビュー音響学の様々な分野(信号処理,音韻,心理学など)の入り口を見渡すのに優れた入門書。 もくじ第1章 サイン波  1.1 サイン波  1.2 波形と周波数特性  1.3 12平均律音階 第2章 サイン波の重ね合わせ   2.1 サイン波の重ね合わせ   2.2 ノコギリ波  2.3 矩形波  2.4 三角波  2.5 位相  2.6 白色雑音  2.7 電子音 第3章 周波数分析  3.1 重ね合わせの原理  3.2

書記の読書記録#761『Pythonではじめる 音のプログラミング: コンピュータミュージックの信号処理』

『Pythonではじめる 音のプログラミング: コンピュータミュージックの信号処理』のレビュー レビュー一から音を作る第一歩として,信号処理の基礎から楽器の音の再現までを体感する教科書。C言語の本は過去にもあったがPythonだと本書がちょうどいい感じ。Pythonと信号処理についてはある程度事前知識は前提となっている点に注意。 もくじ第1章 音響学 第2章 サウンドプログラミング 第3章 コンピュータミュージック 第4章 MIDI 第5章 ディジタル信号処理 第6章 シ

書記の読書記録#760『PID制御の基礎と応用』

山本 重彦,加藤 尚武『PID制御の基礎と応用』のレビュー レビューPID制御を考える上で必要な基礎知識,PID制御の理論および実践が簡潔にまとめられた教科書。「望ましい応答」をベースに考えると応用に生かしやすい。 もくじ1. 自動制御とは  1.1 自動制御の問題  1.2 望ましい応答  l.3 コントローラの種類  1.4 プロセスの周波数特性  1.5 フィードバック制御系の持続振動 2. ラプラス変換と伝達関数  2.1 ラプラス変換のメリット  2.2 ラプラ

書記の読書記録#759『統計力学 (岩波基礎物理シリーズ 新装版)』

長岡 洋介『統計力学 (岩波基礎物理シリーズ 新装版)』のレビュー レビュー平衡系の統計力学の教科書で,入門よりは少し上のレベル感だと思う。量子力学の入門と行き来をする形で学習。 もくじ1 統計力学の基礎 2 ミクロカノニカル分布とエントロピー 3 カノニカル分布と自由エネルギー 4 古典統計力学の近似 5 低温と量子効果 6 開いた系と化学ポテンシャル 7 フェルミ統計とボース統計 8 2次の相転移 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#758『基礎からの材料力学 (JSMEやさしいテキストシリーズ)』

荒井 政大,後藤 圭太『基礎からの材料力学 (JSMEやさしいテキストシリーズ)』のレビュー レビュー材料力学定番の教科書であるJSMEテキストシリーズ「材料力学」の入門的な位置付けで,演習を含め簡単な問題設定。まずはここから始めるのも手だろう。 もくじ第1章 応力とひずみ 第2章 材料の応力-ひずみ線図 第3章 引張と圧縮 第4章 熱応力 第5章 トラス 第6章 軸のねじり 第7章 はりのせん断力と曲げモーメント 第8章 はりの曲げ応力 第9章 静定はりのたわみ 第10

書記の読書記録#757『量子力学Ⅰ・Ⅱ』(猪木・川合)

『量子力学Ⅰ・Ⅱ』(猪木・川合)のレビュー レビュー量子力学の標準レベルの教科書で,例題を通した解説が多いのが特徴的。量子力学の現象を理解するにはやや不足が多いものの,量子力学に必要な計算に慣れるという意味では本書がいい基準になると思う。 もくじⅠ巻 第1章 量子論の誕生 第2章 Schr¨odingerの波動方程式 第3章 1次元の量子系 第4章 量子力学の基本的な性質 第5章 中心力場のSchr¨odinger方程式 第6章 量子力学の体系 第7章 角運動量と対称性

書記の読書記録#756『薬物治療コンサルテーション 妊娠と授乳』

伊藤 真也,村島 温子(編集)『薬物治療コンサルテーション 妊娠と授乳』のレビュー レビュー大体どこの医療機関にも置いてあるであろう本で,基本的には三次資料として活用する。一通り読んでおくと妊婦・授乳婦に対しどう薬物治療を行うかの見通しが良くなる。 もくじ第1章●総 論 1 産科医療の基礎知識 妊娠期における薬物治療の基本 妊娠の時期と薬剤曝露の影響 父親の薬剤使用における胎児への影響 胎児毒性 先天異常の疫学・分類・診断 染色体異常,出生前診断 不妊治療と使用薬の影響

書記の読書記録#755『テンソル解析からはじめる応用固体力学』

岡部 朋永『テンソル解析からはじめる応用固体力学』のレビュー レビュー同シリーズ『ベクトル解析からはじめる固体力学入門』が入門・実用向けだとすると,本書はより数学的な説明に重視したものとなっている。田代『テンソル解析』と合わせるとちょうどよく学習できる構成だろう。 もくじ1. ベクトル 1.1 ベクトルと成分 1.2 内積 1.3 外積 1.4 3重積 1.5 平行四辺形・平行六面体 1.6 ベクトル3重積 1.7 ベクトル変換 1.8 総和の規約 1.9 クロネッカーの

書記の読書記録#754『ベクトル解析からはじめる固体力学入門』

岡部 朋永『ベクトル解析からはじめる固体力学入門』のレビュー レビュー物理に必要なベクトル解析・テンソル解析を手っ取り早く知るにはちょうど良い教科書。数学の教科書を上手く折り合いをつけるのが学習するポイントだろう。 もくじ1. ベクトル 1.1 ベクトルとは 1.2 ベクトルにおける加法・減法 1.3 ベクトルの内積・外積 2. ベクトルにおける微分と積分  2.1 ベクトル関数の微分  2.2 ベクトル関数の積分 3. 場の微分  3.1 スカラー場とベクトル場  

書記の読書記録#753『フィードバック制御入門』

杉江 俊治,藤田 政之『フィードバック制御入門』のレビュー レビュー古典制御についての定番の教科書で,演習も多く独学しやすい。最近の教科書と合わせるとより不安なく進められる。 もくじ1. 序論 1.1 制御とは 1.2 制御系の標準的構成と制御目的 1.3 フィードバック制御の利点と課題 1.4 本書の構成 2. ダイナミカルシステムの表現 2.1 ダイナミカルシステム  2.1.1 線形ダイナミカルシステム  2.1.2 システムの線形化 2.2 伝達関数 2.3 ブ

書記の読書記録#752『シュルレアリスムという伝説』

『シュルレアリスムという伝説』のレビュー レビューシュルレアリスムの潮流について,ブルトンをはじめとした中心人物のみならずその周辺をも巻き込んだエッセイ。 もくじ1 ロレーヌとブルターニュ 2 現代のグノーシスとコミュニスムの魔力 3 催眠術・フロイト・レヴィ・ストロース 4 シャトー街とブロメ街 あるいは反ブルトンの詩人たち 5 蜃気楼〈フアタ・モルガナ〉 マルチニック島 ニューヨーク 6 戦後のパリフカン アルトー 7 シャルル・フーリエへのオードと土方巽の無意識の探

書記の読書記録#751『ゴリオ爺さん』

バルザック(訳:高山 鉄男)『ゴリオ爺さん』のレビュー レビューゴリオが見せた父性愛とその顛末はトラウマとして封じ込められ,ラスティニャックの欲望は前向きなものとして残される,そういう時代かもしれない。 文学作品として見た場合,写実主義の代表とも言えよう書き込みの多さが特徴的である。 本記事のもくじはこちら: