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書記の読書記録まとめ

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今までに読んだ本についてのレビュー。 ブクログ:https://booklog.jp/users/9512a62a15b04973
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2022年2月の記事一覧

書記の読書記録#410『数理統計学: 統計的推論の基礎』

黒木 学『数理統計学: 統計的推論の基礎』のレビュー レビュー数理統計学の比較的新しいテキストで,久保川に比べて確率分布に関する式展開が丁寧なのが特徴。 統計検定準1級以上を目指すには久保川を熟読するのが手っ取り早いと思うが,式展開でつまづくようなら本書も持っておくとよい。 もくじ第I部 基本事項 第1章 データの整理 1.1 母集団と標本 1.2 データの種類 1.3 位置をあらわす記述統計量 1.4 ばらつきをあらわす記述統計量 第2章 確率 2.1 事象 2.

書記の読書記録#409『アフリカ文学講義――植民地文学から世界‐文学へ』

アラン・マバンク(翻訳:中村隆之,福島亮)『アフリカ文学講義――植民地文学から世界‐文学へ』のレビュー レビュー2016年,フランスのコレージュ・ド・フランス芸術創造講座で行われた「アフリカにかんする8つの講義」の記録であり,フランス語圏のアフリカ文学についての幅広い論考が含まれる。 もくじ第一講 黒人文芸――闇から光へ 2016年3月17日 第二講 ネグリチュードとは何か 2016年3月29日 第三講 アフリカ文学のいくつかのテーマ系について 2016年4月5日 第四講

書記の読書記録#408『入門 空間計量経済学』

J・ラセージ,R・K・ペイス(翻訳:各務 和彦、和合 肇)『入門 空間計量経済学』のレビュー レビュー基本的な計量経済学モデルにさらに空間計量を乗せる,主に理論的な教科書。 もくじ第1章 空間計量経済モデルの動機付けと解釈 第2章 最尤推定 第3章 対数行列式と空間ウェイト 第4章 ベイズ空間計量経済モデル 第5章 モデル比較 第6章 時空間モデルと空間モデル 第7章 空間計量経済相互作用モデル 第8章 行列指数空間モデル 第9章 限定従属変数空間モデル 本記事のもくじ

書記の読書記録#407『金融システム 第4版』

『金融システム 第4版』のレビュー レビュー銀行を中心とした,金融に関する具体的な組織についての教科書。ひとまず現状を知るために読んだ。 もくじ第1章 金融取引と金融システム 第2章 日本の金融システム 第3章 資金循環と金融構造 第4章 貨幣と決済 第5章 金融市場と新しい金融取引手法 第6章 貸出市場とメインバンク関係 第7章 金融システムの安定性と監督・規制 第8章 金融システムと中央銀行 第9章 アメリカ,カナダの金融システム 第10章 欧州諸国の金融システム

書記の読書記録#406『医薬データのための統計解析 (原著第2版)』

John M. Lachin(監訳:宮岡 悦良)『医薬データのための統計解析 (原著第2版)』のレビュー レビュー医療統計の専門家のための教科書。巻末に基礎の確認がある。統計検定1級前後に使う予定。 もくじ第1章 生物統計学と生物医科学 第2章 独立なグループに対する相対リスクの推定と検定 第3章 標本サイズ、検出力、効率第4章 独立した群に対する層調整済み解析 第5章 ケース・コントロール研究とマッチング研究 第6章 最尤法と有効スコアの応用 第7章 ロジステ

書記の読書記録#405『常微分方程式の解法』

荒井迅『常微分方程式の解法』のレビュー レビュー難易度としては金子『微分方程式講義』と同じくらいの,主に理論についての教科書。力学系の説明が特徴的。 もくじ第1章 常微分方程式とは 1.1 何についての方程式か 1.2 常微分方程式と現象 1.3 解くということ 第2章 常微分方程式を解くための準備 2.1 常微分方程式の種類 2.2 相空間とベクトル場 2.3 ベクトル場が生成する流れ 第3章 求積法 3.1 不定積分と定積分 3.2 単独自励系方程式 3.3 変数

書記の読書記録#404『新装版 世界の調律: サウンドスケープとはなにか』

R.マリー・シェーファー『新装版 世界の調律: サウンドスケープとはなにか』のレビュー レビューレーモンド・マリー・シェーファー(Raymond Murray Schafer, 1933年7月18日 - 2021年8月14日)は,カナダを代表する現代音楽の作曲家。サウンドスケープの提唱者。 ジョン・ケージの『4'33”』や近年の騒音問題など,取っ掛かりやすい話題も多い。 「間奏曲」までで現在までのサウンドスケープ変化を概観したのちに,科学的な扱いの試みを行う。メインは第

書記の読書記録#403『経済学入門』

奥野 正寛『経済学入門』のレビュー レビュー『ミクロ経済学』で有名な著者による,ミクロ経済学とマクロ経済学両方の導入としての教科書。コンパクトにまとまっているのが良い。 もくじ第1章 経済学とはどんな学問か?   1.1 経済学の定義   1.2 社会的分業と市場メカニズム   1.3 市場メカニズムの基盤と限界   1.4 マクロ経済学   第2章 経済全体の諸活動と市場の均衡   2.1 経済活動   2.2 需要曲線と供給曲線   2.3 市場の力と市場均衡   第

書記の読書記録#402『微分方程式講義』

金子 晃『微分方程式講義』のレビュー レビュー基本的な計算,解に関する理論,他分野への応用のバランスが良い教科書。ポントリャーギンと併用して使う予定。 もくじ第1章 微分方程式とは? 第2章 求積法 第3章 解の存在定理 第4章 線形微分方程式系 第5章 級数解法 第6章 Peanoの存在定理と一意性 第7章 解の追跡と漸近挙動 第8章 Hamilton系の理論 第9章 天体力学入門 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#401『ストロムの薬剤疫学』

川上浩司,漆原尚巳,田中司朗(監修)『ストロムの薬剤疫学』のレビュー レビュー横文字で言うところの「レギュラトリーサイエンス」にあたる教科書。米国の事例メインなので読みにくいところもあるが,この分野のテキストというだけでも貴重。 もくじPARTⅠ 薬剤疫学概論 第1章 薬剤疫学とは  はじめに  薬剤疫学の定義  薬剤疫学の歴史  現在の医薬品承認プロセス  薬剤疫学の可能な貢献  重要なポイント 第2章 薬剤疫学研究に使用する研究デザイン  科学的な研究方法の概要

書記の読書記録#400『トートラ人体解剖生理学』

Gerard J. Totora,Bryan Derrickson『トートラ人体解剖生理学』のレビュー レビュー解剖学用語が一通り網羅されている中で,特に重要なものがわかりやすい構成。 もくじ1 人体の成り立ち  1.1 解剖学と生理学:概観  1.2 生命プロセス  1.3 ホメオスタシス:正常範囲内での維持  1.4 加齢とホメオスタシス  1.5 解剖学用語  1.6 体 腔 2 化学概説  2.1 化学の概要  2.2 化合物と生命過程 3 細 胞  3.1 細胞

書記の読書記録#399『傷寒論を読もう』

高山 宏世『傷寒論を読もう』のレビュー レビュー傷寒論についての解説書で,比較的素直な読解。40種の患者イラスト入り「重要処方図解」がとても役に立つ。 本記事のもくじはこちら:

書記の読書記録#398『微分方程式: その数学と応用』(上下巻)

『微分方程式: その数学と応用』(上下巻)のレビュー レビュー微分方程式の教科書として,簡単すぎず難しすぎずといった感じ。力学系や物理への接続が良い。 もくじ上巻 第1章 1階微分方程式  1.1 はじめに  1.2 1階線形微分方程式  1.3 ファン・メーヘレンの贋作事件       1.4 変数分離形方程式       1.5 人口増加モデル       1.6 技術革新の普及       1.7 放射性廃棄物処分問題  1.8 腫瘍の成長動態,撹拌問題,直交曲線

書記の読書記録#397『毒性の科学: 分子・細胞から人間集団まで』

熊谷 嘉人,姫野 誠一郎,渡辺 知保(編集)『毒性の科学: 分子・細胞から人間集団まで』のレビュー レビュータイトル通り毒性学のテキストで,分子機構から社会への影響まで幅広い範囲に焦点が置かれている。 もくじはじめに 第1章 毒性学の基本概念 第2章 毒性発現のメカニズムと生体内因子 第3章 新規解析手法の毒性学への応用 第4章 さまざまな有害物質 第5章 人間集団における毒性学 第6章 毒性学と社会との関わり 本記事のもくじはこちら: