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怒ると物を投げて暴力的になる私が離婚危機を経て変われた話①

結婚3年目を迎えた頃、私達夫婦は離婚危機に陥った。
というか正確には夫から「離婚したい」と切り出された。
思い返すと当時のつらい感情が蘇ってくるし、もう絶対あんな思いをしたくはないと思うし、そんなに思いつめないで、と自分を慰めてあげたくなる。

でもこの離婚危機があったからこそ、小さい頃から自分につきまとっていた自己肯定感の低さから抜け出すことができた。今は、自分に自信があるわけではないけど
「私は私。私は私でいいんだ。」って思えるようになった。
これはそんな私(と夫)の成長の記録です。
今日は「なぜ夫から離婚を切り出されてしまったのか」について記録します。

『怒りを抑えられない私。物を投げ、夫を殴り続けた。』

以前の私は怒りがピークに達するとキレて物を投げたり、夫を殴ることをやめられなかった。怒りを溜め込んでは定期的にキレて、夫を呆れさせていた。きっかけはささいなことで、そんなに怒る?ということで猛烈に怒っていた。客観的に見たらとっても恐ろしいし、それにはずかしい。ものすごい顔をしていると思う。

喧嘩の度に後で謝って「もう怒っても絶対に物は投げません。」と約束した。夫曰く怒っても物を投げるのは絶対にだめ、自分を殴るのは別にいい(だって全然痛くないから)ということだった。謝る時は、それはもう自己嫌悪だし、なんでこんな風になってしまうのか、こんなに怒りをコントロールできないのは自分だけだ、周りの友達で自分の様になってしまう人は絶対にいない、こんな自分嫌だ、次は絶対にしないと心に誓う。心から、心に誓っている。
それなのに私はその約束を尽く破る。また物を投げて怒り狂っている。ほんの数日前に反省したばかりなのに。物を投げながら、もう一人の私が私を見ている。
「そんなことしたらだめ。また嫌われるよ。また呆れられるよ。」と心の中ではわかっているのにやめられない。物を投げることでしか自分の怒りを表現することができず、物を投げずにはいられなかった。どうしても、どうしても我慢することができなかった。

『ついに離婚を切り出される。』

怒っても物を投げないという約束を何度も破った結果、夫から離婚を切り出された。「友達に戻りたい。」と。一旦友達というフラットな関係に戻って、私のことを本当に好きなのかもう一度確かめたいとのことだった。
夫の口から出た「俺は普通の生活をしたいだけなのに。」という言葉が、ぐさっときた。良き妻になるよう努めて欲しいわけじゃない、何かを期待しているわけじゃない、のに。
夫は自分以外には温和な私が、自分にだけこんな暴力的な姿を見せるのは、きっと依存しているからだと考えたらしく「俺のことを夫としてじゃなくて友達として接して欲しい」と言われた。夫婦であってもあくまでも他人。そのことを意識して生活してほしいとのことだった。離婚するか否かは一旦保留になったが、もう失敗できないという恐怖心があった。

『もう、絶対に離婚される…と絶望的な気持ちで過ごす日々』

夫は私に対して大きく態度を変えることはなかったが、あくまでも友達なのでスキンシップは一切なくなった。元々すごく女性扱いをしてくれる夫だったので、そういうものがなくなって焦燥感に襲われた。何よりも夫婦としての将来の話ができなくなったことがつらかった。マイホームのことや子供のことはもちろん、旅行や家具を買う話など些細なことも含めて、離婚するかもしれないことを考えると話題には出せなくなった。
その頃の夫の様子を受けて、私は「これはどう考えても本当に離婚される…。もう立て直すことはできない…。」と絶望的な気持ちになった。夜も寝られないし日中も身体がカーーッと暑くなって心臓がばくばくする。こんなに夫のことが大好きなのに…、もう私のことを好きでは居てくれない。取り返しのつかないことをしてしまった。もう夫の心を取り戻すことはきっとできない。ネガティブな感情がどんどん押し寄せてきた。

『私、変わらないといけない。』

私は変わらないといけないと思った。というか変わるなら今だと思った。
私自身、怒ったときに物を投げたり殴ってしまう自分がすごく嫌いだった。
離婚を切り出されて、とっっても辛いけど、でもこれは夫からきっかけをもらったと思うしかない。夫は私にチャンスを与えてくれてるんだ(と思うことでしか精神を保てなかった)。
私は自分がなぜ怒ったら物を投げてしまうのか?暴力的になってしまうのか?人生で初めて真剣に考えてみた。

『”私のことわかってよ”という気持ちが物を投げる行為に繋がっていた』

私が暴力的になるのは夫だけでなく、結婚前は母に対してだった。
逆に言うとこの二人以外には全く暴力的で情緒不安定な自分を見せたことはない。
平和主義だし友達と喧嘩したこともない。社交的で調和を重んじる。
会社の人や友人が私が夫や母に対して怒っている様子を見たら、それはそれは驚くと思う。本当に驚くと思う。おっとりしてて、いつもニコニコしているのが私だから。

なぜ母に対してそんな態度を取ってしまうかというと兄の反抗期がきっかけだった。兄は反抗期になると妹である私に対してストレスをぶつけることが多かった。気に食わないことがあると「うざい」「消えろ」「死ね」と言われて、殴られることもあった(手加減はしてたと思う)。
つらかった。けど、そのつらい思いが母に全く伝わらなかった。
私自身も直接母に「お兄ちゃんのことが、つらい、苦しい。」と訴えたことはなかった。当時小学生(高校生くらいまで兄の攻撃は続いた)だった私は、兄のことで悩むことは、恥ずかしいことだと思っていた。だから言えなかった。でも、わかって欲しい。はっきりと言わなくても私の気持ちをわかって欲しい。だから日常的に気に食わないことがあると、大きな声を出して怒って物を投げて自分を表現していた。でも母には全然伝わらなかった。「この子、なんでこんなに怒ったら手を付けられへんねんやろ」と不思議に思っていたと思う。

結婚して母から離れた生活を送れば自然と変われると思っていたけど、結局対象が母から夫に変わっただけだった。
自分の怒りを受け止めてもらえなかったとき、理解してもらえなかったときに
「私のことわかってよ!!!」という気持ちが爆発し物を投げ、殴るという行為に繋がっていた。

思い返せば小学生の頃から、自分の怒りをコントロールできない自分を「こんな姿もし友達に見られたらはずかしい」「私は絶対に普通じゃない」とマイナスに捉えていたし、出来れば変わりたいと思っていた。母の前でも何度も怒りを我慢しようと努力したこともあったが、抑え込もうとすればするほど、爆発した時の勢いがすごくて、自己嫌悪に陥るという負のループだった。何度も変わりたいと思ってきたのに、変われなかった。今更変われる?すごく不安だった。でも今変わる努力を最大限にしないと絶対に後悔する。
怒らないように努力するとか、意識するとか、心構えを変える、とかそんなことじゃ変われないことはわかっていた。何か行動を起こさないと…。

私は具体的に「セラピーに通うこと」「父に相談すること」の2つの行動を実施した。

続きます。



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