リモートワークにおけるマネジメント課題についての考察
本日、Offersデジタル人材総研では、「リモートワークにおけるマネジメント課題」について調査を行い、リリースしました。
このnoteでは、調査データから見えてくる市場背景について考察していきたいと思います。
前回実施した、「デジタル人材のリモートワーク実態調査 2023」ではリモートワークによって「通勤の無駄がなくなった」や「個人の時間が出来た」などのメリットが挙げられている一方で、「コミュニケーション上の課題」、「仕事の管理ができない」などのデメリットが挙げられました。
今回の調査では、後者の課題についてより具体的な調査を行いました。
その調査結果をもとに、今後の新しい働き方について考察していきます。
調査結果サマリ
94.4%がリモートワークを取り入れている
出社を取り入れる企業も増えている中、ソフトウェア開発現場では依然としてリモートワークまたはハイブリットワーク(出社とリモートワークを併用)が主流となっています。
Offersプラットフォーム上においても、募集企業のリモートワークの可否によってスカウト返信率や面談承諾率に少なくない影響が出ています。
よって、「リモートでもパフォームできる環境」を構築することが、採用競争力ひいてはその組織の開発力に繋がってくると考えられます。
リモートワークのほうがマネジメントしやすい理由
一般的な印象とはことなり、「どちらもあまり変わらない」が半数以上を占める結果となりました。変わらない、を実現するには工夫があるはずなのでそのあたりを解き明かしていければと思います。
まずは、リモートワークでマネジメントがしやすいと答えた理由から見ていきましょう。
「移動やコミュニケーションの時間が削減され、作業時間がより有効に使えるから」という回答が90.0%であり、時間が増えることでその分をマネジメント及び自身の作業時間に当てられるといったポジティブな影響が大きいと考えられます。
また、リモートワークならではの特徴として「必要なリソースや情報へのアクセスがデジタル化されたことで、情報が拾いやすくなったから」(55.0%)という理由も多くあります。
オフラインベースでは、コミュニケーションが口頭で行われる頻度が上がるため、意識して情報を可視化することが不可欠。対してリモートワークでは、コミュニケーションをオンライン上のツールを介して行うことが多いため、ログを残す作業の手間の削減も可能になり、効率的に情報を残すことができます。 オフラインでの会話とテキストコミュニケーションを簡単に整理すると以下のように分類できます。
【オフラインとオンラインのコミュニケーション比較】
コロナ禍以前からもソフトウェア開発はテキストコミュニケーションが前提となっている傾向が見られるため、働く場所の変化による影響度が低いだけではなく、さらに文書化が進みコミュニケーションが加速する可能性もあると考えます。
リモートワークでマネジメントがしにくい理由
対して、「マネジメントしにくい理由」については、「オンラインのコミュニケーションでは、相手に意図が伝わりにくく誤解が生じやすいから」という回答が最も多く74.1%となりました。
この課題の原因として考えられるのは、
前述の言語化に対しての共通認識がチーム内で存在していないこと
不確実性が高い開発(PMFフェーズなど)を行っていること
が考えられます。
後者については、口頭コミュニケーションのほうがむしろ効率が良いフェーズでもあるので、意図的に同期的な時間(出社や交流会など)を増やすなどのコミュニケーションの工夫が重要になってくると考えられます。
次に多い理由として挙げられた「コミュニケーションの頻度が低下し、チームワークが育まれにくいから」(59.3%)については、組織においてのハブとなっているマネジメント人材以上に被マネジメント人材へのケアが必要なポイントであるため、あくまでバランスを取りながらにはなりますが、自身の感覚よりやや多めぐらいの頻度で会話する機会を持ち、適宜情報を把握することを推奨しています。
状況把握が疎かになると、以下のような課題が生まれやすくなります。手遅れになる前に、懸念を感じ始めたら対策を行うことが良いでしょう。
【情報把握が疎かになった際に生じやすいトラブルの例】
また、こういった状況把握の課題を解決する上で、Offers MGRによる可視化を検討頂く機会が増えています。
OffersMGRではコミュニケーションパスを可視化する機能も活用できます!
トライアルも可能ですので、お気軽にお試しください。
さいごに
リモートワーク、ハイブリットワーク、オフライン…。働き方の選択肢が拡張したことで、それぞれのメリット ・デメリットについての議論が取り沙汰されますが、”完璧”は存在せずいずれも一長一短あるものです。
重要なことは、いま一度、「事業成長から常に逆算して考えること」だと私は考えています。 働き方も、カルチャーも、コミュニケーション設計も、すべては事業成長をなし得るための方法であり、自社のビジネスモデルをよりエンパワーメントできる方法を改善しながら採択していくことが大切です。
一概に答えは無い問いですが、一つだけ言えることとしては社員含めたステークホルダーが「なぜ」この働き方を取り入れるべきかを理解し納得している状態のチームは迷いなく力強い成長ができるはずです。
今回はこのあたりで考察を終わりにしたいと思います。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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