科学技術「チチと母」

【意外な謎の発見】

今回
母乳の抗体が作られる場所は
乳房じゃなく
腸だという事が解りました。

9月7日
東北大学の研究者たちが
この事を解明しました。

この研究は
論文雑誌「Cell Reports」に載り
世界初の発見になったのです。

母乳の中に含まれる抗体は
腸で母乳専用の免疫細胞が作られ
それが乳腺に移動します。

そしてこの免疫細胞が
乳房で抗体の「lgA」に変化し
母乳の中に含まれます。

この母乳から出る抗体は
抵抗力が弱いあかちゃんを
病原菌から守る役割をしてます。

現在まで母乳の抗体が
乳房で作られない事が知られて
いったい何処で作られてるのか
不明なままでした。

腸管と乳腺はつながっている！ ～腸内微生物が母乳中の抗体産生を促す～

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【人口マウスで調査】

実験にマウスを使い
乳房に含まれる抗体が
一体どこで作られるのか
調べて行きました。

最初に
母乳に含まれる抗体だから
当然乳房で作られてると考えて
調べてみました。

抗体が作られる場所は
通常リンパ節なので
遺伝子操作でリンパ節が無い
マウスを作って調査します。

しかし
リンパ節が無いマウスの母乳に
抗体の「lgA」が含まれてた事が
判明したのです。

結果
通常抗体を作り出すリンパ節で
「lgA」が作られて無く
別の場所で作られてる事になります。

そこで
１番多数の抗体が作られてる
「腸」が怪しいと睨み
腸を調べる事にしました。

腸の細胞の内面には
「パイエル版」と言う細胞があり
これが病原菌を感知して
その抗体を作ります。

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【製造場所】

そこで研究者たちは
またマウスの遺伝子操作をして
腸のパイエル版が無いマウスを
作ってしまいます。

そして
このマウスの母乳を調べると
なんと抗体の「lgA」が
ない事が判明しました！

でも腸で作られた「lgA」が
何で乳房に行くのか
そこが謎になってしまいます。

その事を調べた結果
腸のパイエル版で作られる
免疫細胞が乳線に移動して
乳房で「lgA」を作ってたのです。

腸で作られる免疫細胞は
腸内細菌が腸の表裏から吸収され
パイエル版にくっついて
腸内細菌に応じた抗体を作ります。

「lgA」が作られる仕組みは
この実験で判明しましたけど
まだ解らない事があります。

それは
一体どの腸内細菌が
母乳専用の「lgA」を作るのか
まだ不明なのです。

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【腸内細菌】

この事を調べる為に
無菌状態で飼われてるマウスを
使用して調べてみました。

無菌状態で飼われてる
マウスの母乳を見てみると
「lgA」がほとんどありません。

抗体を作らなくて良い無菌環境で
ずっと生活してた通常マウスは
「lgA」が必要なしと
体が自然に判断してたのです。

このマウスに
複数の抗生物質を混ぜて作られた
人工腸内細菌を
色々与えてみました。

そして
母乳専用抗体細胞を作った
腸内細菌の種類を
やっと突き止めたのです。

それは
「B.アシディファシエンス」
「P.ブッカリス」
この２種類の腸内細菌です。

最後に「lgA」が無いマウスに
この２種類の腸内細菌を入れると
腸で母乳専用抗体を作り出し
腸内細菌の種類が確定しました。

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【lgaA治療薬】

この研究で特定の腸内細菌が
母乳専用の免疫細胞を作り
それが乳房に行き
「lgA」を作る事が判明しました。

更に
どの腸内細菌が
母乳専用の免疫細胞を作るのか
解っちゃったのです！

この事により
免疫効果の「lgA」を増やす
サプリメントが
出来るかもしれません。

この「lgA」は
免疫力が上がる良い効果があり
悪い効果が全然ないのです。

母乳の免疫効果は
母乳から摂取できれば
拒絶反応もなく
絶対的効果が約束されます。

もし
母親の母乳から自分専用の
サプリメントが作られれば
大人が飲んでも効果絶大です。

更に
「lgA」が少ない人でも
多くする事が可能になり
あかちゃんの抗体を増やせます。