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思い出「人を選ぶアイテム」

【極める技】

14歳の時。

山本君と言う友達がいた。

あだ名は、やーもん。

そのやーもんといつもゲームをやって遊んでいた。

やるゲームは、毎回対戦ゲームだった。

特に野球ゲームが多くて、何時間もやっていた。

この当時は、ゲームを何時間も続けても全然飽きない。

もう24時間プレイしても平気な位だった。

当時は「ファミリースタジアム」という野球ゲームをよくやっていた。

やーもんは、毎回1番強いメジャーリーグを使っていた。

でも俺は、あえて1番弱いナムコスターズを使う。

それは、強いチームを使ってもすぐ勝てるから面白くないという理由。

俺は、弱いチームでテクニックを駆使して勝つことが凄く楽しかった。

でもメジャーリーグは、反則級に強く毎回負けていた。

だからこそ、1番弱いチームを使ってゲームの腕を職人技迄鍛えたかった。

そんなある日、我々のゲーム脳を爆発させるゲームが発売された。

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【脳内発狂】

当時スーパーファミコンで「ストリートファイター2」が発売されたのだ。

あのゲームセンターで超大人気のアーケードゲームが家庭用で再現された。

この事に我々は、凄く喜び発狂していた。

そして、ストリートファイターを発売日に2人で購入した。

でも、スーパーファミコンのコントローラーでは、凄くやり難い。

当時2人とも専用ジョイスティックが無く技を出す事に凄く苦労していた。

専用ジョイスティックを買おうとしたが、高くて買えなかった。

カセット代だけでお小遣が全部なくなってしまった。

そこでやーもんが、買えないから自分で作ってみようと言い出した。

当時やーもんの家は、小さな鉄工所を自宅で営んでいた。

そこで薄いアルミ板を貰い、それを自分で加工して作ろうというのだ。

そして我々は、アルミ板を貰いカッターで傷をつけて形取りをしていった。

切り方は、何度も折り曲げて熱と自分のパワーで切っていった。

これが結構な力作業で、汗をかきながらやったのを覚えている。

そしてやっとの思いで、ジョイスティックの箱が出来た。

この時、鉄ハサミを貸して貰えば良かったと後悔した。

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【自力本願】

完成したアルミ板に、ボタンと方向キーの穴をあけて貰わないとならない。

それは、やーもんの家の鉄工所で穴をあけて貰えた。

あと足りない物は、方向キーのスイッチとボタンだけだ。

これは、秋葉原のラジオデパートに買い出しにって手に入れてきた。

必要な物は、ボタンが6個と方向キーのスイッチ4個。

ラジオデパートは、こういうバラの部品が凄く安く手に入る。

ボタンが1個50円で、6個買い300円。

方向キーのスイッチは、1個20円で4個買い80円

全部で、380円だった。

そして家に帰り、ボタンと方向キーのスイッチをアルミ箱に取り付けた。

この部品を動作をゲームに認識させる物は、コントローラーの基盤を使う。

なのでスーパーファミコンのコントローラーを分解して基盤を取り出した。

その基盤をアルミは野の裏側に取り付けて、配線をハンダ付けしていく。

スイッチ類に線を繋げて、その線を基盤の同じ動作する場所に付けるだけ。

でも、初めての事で結構苦戦した。

当然取り付ける場所を間違えて、何度もやり直してしまった。

そしてとうとう、専用ジョイスティックが完成した。

このジョイスティックは、手作り感満載のダサいジョイスティック。

でも、自力で作り上げた事に感無量だった。

そして早速、ストリートファイターをやってみる事にした。

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【飛翔したジョイスティック】

自作したジョイスティックは、なんと無事に動いた!

絶対まともに動かないだろうと思っていたが、本当に良かった。

そしてしばらくゲームをしていたら、ある事に気が付いた。

ジョイスティックの重さが軽すぎて安定しない。

方向ボタンを押すたびに、本体が動いてしまいどこかに飛んでいく。

そこで、足で動かないように挟んでゲームをする事にした。

そすると安定はしたが、位置が悪い。

何とかテーブルの上で動かないように安定させたい。

仕方ないので、重りを取り付ける事にした。

その重りは、当時沢山家にあった「週刊少年ジャンプ」

このジャンプをジョイスティックの下に重ねて、糸で固定し、重りにした。

でも、それでも動いてしまう。

どうやら、俺の操作が乱暴で勢いが付いてしまうようだ。

これでは、もう机と一体化させるしか動かない方法が無かった。

でも、そんな事は出来ない。

仕方ないので、ジャンプを外し軽い状態でも操作できるように練習した。

ジョイスティックの操作を、軽く軽やかに美しく優雅に操作する事が目標。

でも、ゲームを始めるとだんだん興奮してくる。

そして結局ジョイスティックが、明後日の方向に飛んでいった。

フガフガ( ゚Д゚)!ふがー(''Д'')!となる。

結局、乱暴な操作が治らず、市販のジョイスティックを買ってしまった。

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