すべての仕事に大切となる3原則
LINE Fukuokaでの経験、前職のNECやリクルートでの経験、それらの経験を踏まえた上で、仕事をしていく上で大切となることを抽象化すると3つにまとめられるよ、と時々話しているのでこちらにもまとめてみます。※もちろん私個人のまとめですので絶対的な原則ではありません。
ではいってみましょう。
1.Structured 構造化する
全てはここから始まるので最初にもってきています。
例えば学校の授業を思い出してみてください。国語、算数、理科、社会…。その中でも算数であれば、四則演算、方程式、因数分解、微分積分、統計…。実はものすごく綺麗に構造化されています。つまり私たちはそれらの与えられたものを受け身で勉強すれば理解できるようになっていた(=構造化されている)わけです。
もしもこれが構造化されていなかったら。統計の問題、微分積分の問題、それらがランダムに出てきたとします。すると目の前にある問題の一つひとつがただの事象としか見えない。それぞれの問題の関係性や意味が分からない、紐づけられない。つまりそれらの問題一つひとつを意味も分からずにただ対処するだけになってしまうのです。
このやり方では人間の記憶力には限界があるので全ては覚えられません。さらにその問題にただ対処しているだけで意味を理解していないので応用問題が解けません。そういう事態になってしまいます。
そして学生のときまでは「既に構造化しているものを勉強する」だけで良かったのに、社会人になった途端に「自分が構造化して仕事をしていく」ことに真逆に変化していくわけです。
すると前述の「もしも」の話が仕事で起きてしまう。
自分の仕事の整理ができない、優先順位がつけられない、起きている事象から真因をさぐって整理ができない、経験した仕事しかできないと思い込んでしまう等々。
また、人を巻き込んだプロジェクトをしたいとき、組織をつくって仕事をしたいとき等、リーダー的な役割をする際にも困ります。構造化できていないわけなので周囲に対しても意味付けをして仕事を渡せないわけですね。
このStructured(構造化する)、根幹として最も大事だと思っています。
2.Simplify シンプルにする
これはよく耳にする言葉ですが、Simple is the best!とばかりに最初から何かにこだわってシンプルにするのは、ただ考えが浅くなるという罠に陥ります。詳しくは、仕事の順番は「足し算→掛け算→割り算→引き算」に書きましたのでそちらをご覧ください。
それと大事なのは、シンプルにするのはアウトプットという思い込みがあるかもしれませんが、どちらかというとシンプルにすべきはインプット=何の問題を解くかの方だなって思っています。
3.One and Only 唯一無二のものにする
ここではコンペをイメージしてみましょう(競合プレゼンのことです)。コンペに出たことがないという方は、社内外で自分のやりたい仕事をやるために提案している場をイメージしていただくと良いと思います。
どういう案が選ばられると思いますか?
より良い案(better)?
一番良い案(best)?
私の考えは違います。
選ばれるのは、その案を選ばざるを得ない案(One and Only)です。
私の会社の「LINE」を例にとってみます。皆さんもきっとLINEをお使いいただいていると思いますので(ありがとうございます!)分かりやすい例かなと思って取り上げます。
なぜ皆さんはLINEを使っているのでしょうか?
他社サービスとじっくり比較して機能面でより良いサービス(better)だからでしょうか?あるいは他サービスと比較して一番優れているサービス(best)だからでしょうか?
おそらく違うと思います。皆さんがLINEを使っている理由は「みんなが使っているから」=「LINEを使わざるを得ないから」=「そのサービスを選ばざるを得ないサービス(One and Only)だから」というのが最も近いのではないでしょうか?
ですからLINEは本質的には他社サービスと比較してbetterやbestを狙うのでなく、One and Onlyになっているかどうか、つまり、みんなが使い続けたくなるサービスになっているかどうかだけに集中すればよいと考えます。逆に言うとそれがなくなると他サービスと同じ土俵に乗ってしまいbetterやbestの競争となってしまう。もちろんマーケティング上、競合意識やポジショニングは大切ですが、本質的には競争しない、自分が出来ることだけ(One and Only)に集中する、自分だけが出せる価値に集中する(One and Only)ことが大事なんです。
もう少し抽象度を上げてみましょう。外科医は手術が得意だからそれに集中する、看護師は人をサポートするのが得意だからそれに集中する、セールスパーソンは売ることが得意だからそれに集中する。自分だけにしか出来ないことに集中することが、結局は周りの人の役に立つことに繋がる、自分の価値が提供できるということですよね。
だからもし自分が何かを考えるとき、それは自分にしかできない提案なのか(One and Only)を確認することが大事なんです。難しく考える必要はありません。自分の原体験から来た「やりたいこと」、自分ならではの「解決したいこと」などです。自然体でよいのです。答えはどの教科書にも載っていません。自分の中にあるのです。
あなたにしか出来ない仕事がある。だからあなたにこの仕事をお願いをしているのです。たくさんの経験をしてたくさんの自省をして自分の引き出しを増やしておきましょう。
このOne and Onlyの分かりやすい例は、福岡市とLINEとの仕事だと思いますのでご参考までに貼っておきますね。LINEならでは、福岡ならではが詰まっていて、LINE Fukuokaらしさが感じられると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。この記事が参考になった方がいれば嬉しいです。「この記事を読んで一緒に働いてみたくなりました!」という方がいたらもっと嬉しいです。最後に恒例の採用ページを貼っておきますね(笑)。
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