【ISO12800】究極の地下駅 土合駅スナップ!!【LUMIX S5iix作例】
群馬県の山奥・地下70mのもぐら駅・土合駅へ。
10分かけて486段の階段を降りないと駅のホームに辿り着けないという、もはや駅というよりダンジョンに近いんじゃないかという肌感だったんだけど、LUMIX S5iixが暗い地下鉄でもどのくらい頑張れるかという試金石にもなると思い、カメラを引っ下げて向かってみました!
やれんのか!ISO12800!!!!!!???
こちらがLUMIX S5iix。
僕がコンデジを色々持つ中で、この子が手持ちの中では主砲。メーカーロゴやマシンの名前が全て黒で表記されており、正面から見るとまるで黒パーで潰してあるように見える。ストイックなプロ機のような風合いが好きだ。
防塵防滴使用なので雪の中でも平気で持ち出すことができた。
外側から見た土合駅の廊下は道路の上を堂々と縦断していた。
窓の外に木の枝が複雑に絡み合って、駅を飲み込もうとしているみたいでおっかない。
別カット。駅の入り口はもっとずっと右の方にあるのだが、ホームは左のめっっっっちゃ地下にある。怖い。どこに連れて行かれるのだろう。
ほぼ無人駅なので別に切符の料金を請求されるわけでもなく。
駅の切符売り場?はめちゃくちゃ味がありました。
駅員室みたいなところが改装されて小さなレストランになってました。黒板が良い味しています。
駅の様子。祝日だけど冬なので人は少ない。
登山シーズンは登山客がたくさんやってくるらしい。
蔦が絡まる窓は、内側から見たらフォトジェニックな風景だった。
味があるというか、味しかない状態。
窓に描かれたラクガキも、人の気配を感じてどこか懐かしい。
通路は電車が通るたびにとんでもない風圧を帯びて「オォオォォォォ」という轟音を響かせていた。
降りるのに10分かかる階段の始まり。
本当に延々と階段を降り続けるので、だんだん頭が疲れてきて自分が今何のためにどこに向かっているのかわからなくなってしまった。
この時点であたりはかなり暗く、ISO12800に頼らざるを得なかった。
駅じゃなくてダンジョンなのでは…?
数時間に1本しか電車が来ない時刻表を見て、これに乗ってどこまでもいくのもいいな…と思ってしまう自分がいた。
階段を降り切って思わず振り返る。
延々とつづく階段。「おかあさんまだぁ?」という子供の声が反響する。
また登らなくてはいけない予感よりも、このトンネルを掘った人間に対する畏怖のようなものが立ち上がってくる。ほとんど消失点が見えるようだ。
子供達が競うように階段を駆け上がっていく。臆することなんかちっともないみたいに。
地下のホームにある一つ一つが、
人類に忘れ去られた文明のように見えてくる。
線路の向こうに"無限"を感じた。
『マトリックス』でこういうシーンあったような?線路に降りて走っていくんだけど、同じところに戻ってきちゃうやつ。ここもそういう感じがするな。永遠にループしていて、元に戻っちゃうのも怖いけれど、このトンネルを走り続けて、また違う駅があるという事実があるのも怖い感じがする。隣の駅もこんな深淵にあるのだろうか?
しばらくホームを歩き回りながらスナップに興じていると、トンネルの向こうから音が聞こえる。何かがやってくる。もしかして電車がくるのか?
どんな電車なんだろう。というか、数時間に1本しか来ない地下鉄のわりにホームが長すぎる。新宿駅くらい長い。こういう電車って普通2両編成とかそういう具合のものではないのか?
どんな電車が来るのかしばらく待っていると、それは貨物列車だった。色々な色のコンテナのような車両が連結された電車が減速することなく駆け抜けていった。電車が抜ける時、空気が引っ張られるような感覚が新鮮だった。
そろそろ戻ろう、と思った。
帰りの登りはびっくりするくらい長かった。色々なアイデアが浮かんでは消えて、瞑想をしているような精神状態になった。写真では登り終わりが見えているけれど、ここからが長いんだ。
「ほとんどホラーゲームみたいな景色だよな」と笑いながら。
本当は、本当に怖かったんだ。
無事出てくることができた。本当に良かった。
外に出るとだいぶ日が落ちて暗くなっていた。
宿に帰ろう。
おしまい
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