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舞踏論

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曽我大穂/Uzo Hiramatsuー追憶とアルゼンチンタンゴ

曽我大穂/Uzo Hiramatsuー追憶とアルゼンチンタンゴ

Uzo Hiramatsuのライブペインティングと曽我大穂のライブパフォーマンスに行ってきた。

各人が各人の物語を読み込み、涙する場を提供する、
曽我大穂の不思議な音楽世界
Uzo 画伯が、絵の具とキャンパスとの格闘を繰り広げる最中、
何重にもエフェクターを掛けた、透き通り反復する歌声に乗せられて、
ある種の懐かしさと共に、子供の頃の孤独感が蘇る

3歳の頃、
父親が車で出かけていった、
その後

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和洋の間ー日本語という舞踏

和洋の間ー日本語という舞踏

 日本で生まれ育ち、フランスに8年住み、フランス人とのハーフの子供を育てていると、どうしたって和と洋の間について考えてしまう。そのうち本にしようとは思うけれど、なかなか思考がまとまらない。とりあえずのメモ。

言語という思考の道具言葉は思考の道具であり、思考そのものの道筋を前もって作ってしまう。英語とスペイン語はイマイチだが、フランス語なら「これは説得的な論」「これは日本人には説得的だが、フランス

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タンゴとポリアモリー3

タンゴとポリアモリー2の続きです。

前回まで、日本文化のメインストリームと、ロマンティックラブ・イデオロギー(生涯ベストのパートナーは一人、その人と一生添い遂げて幸せな家庭を作る)がエラくずれている、というお話でした。

今回はそろそろタンゴを出そうかと思います。

アルゼンチンタンゴは悲しい踊りである。祖国を離れた出稼ぎ労働者の悲哀とフラストレーションがベースだが、そこに貧困、マイノリティ、外
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踊ることって何だろうー世界舞踏史序説

踊ることって何だろうー世界舞踏史序説

大学の今年のゼミは踊ることについて哲学的、比較文学的に考えることにしているのだけれど、授業の草稿、ラフスケッチ的なものを、少し。

ちょっと自分語り。踊ること、ファッション、魅せること。そんなこととは三十半ばまで無縁に過ごしてきた。ファッションは中高生のころ憧れた。でも、パリコレのような服をどうやってコーディネートに生かしていいのかまるで謎だった。中高生の頃はとにかく貧乏で、お昼ご飯も食べられなか

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