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服の廃棄場で徳を積む

先日ワイドフィーマットプリンタのセミナーがWebでありました。当社は神やフィルム出力がメインで稀にタペストリー出力があるくらいですが、ここ数年この業界、特にプリンタメーカーは他のメディア出力に力を入れています。
5年くらい前は壁紙、クロス出力を盛んにもてはやしていましたが、最近は少しトーンダウン。そこまで中小企業が手を出せるマーケットではないようです。
で、2年くらい前からテキスタイル出力にリキが入っています。今回もいくつかのコマの中でこのテキスタイルの話があり、ふ~んと聞いていましたが、どうもアプローチが違っていて面白かったのです。
それは
「買う前に聞いてる?見てる?」というもので、「生産地はどの国?」「原反はどこのもの?」「どこから来るの?」「生産者の労働環境は?」「環境にやさしいの?」という上の質問に対して

下のグラフは凄く「考える、考える」は4.2%と11.8%だから16%しか関心がない。一方「全然気にしない、気にしない」は30.8%と29.2%の合計60%という状況。ビックリしました。
原発処理水等でそれなりに関心のある食料品よりも、アパレルは意識されていないのじゃないでしょうか。
で、どうなっているかというと、これにはビックリ。
・ 1960年に比べて現在は4倍もアパレルを購入している
・ 2000年代に比べ消費者が着続けるのは半分
・ アパレルは世界で2番目にエネルギーを消費する産業
・ アパレルの 85% は埋め立て地または焼却炉に捨てられる
・ 年間 930 億立方メートルの H2O が使用される

その結果が下の図で、南アジア、アフリカ、チリのアタカマ砂漠にまでにこのようなアパレルの廃棄場があるそうで、本当に驚きました。それがガーディアンにも紹介されています。

この記事によるとアパレルのひどい状態を説明するとともに、スウェーデンでは「サーキュロース」というクラフト紙のようなものに再生し、廃棄アパレルを再利用できるのだそうで、他にもこのような企業はあるそうですが、「賽の河原で石を積む」ということわざがあります。意味は

冥土に至る途中の賽の河原。親に先立って死んだ小児がこの河原で父母供養のために小石を積んで塔を作ろうとするが,石を積むとすぐに鬼がきてこわしてしまう,そこへ地蔵菩薩が現れて小児を救うという仏教説話」

です。無駄の例えなのですが。よく見たら諦めずに積み続けるから菩薩さまが来るわけですね。ということはアパレルも無駄にならないように使い、またREもあきらめずに続けていくしかないのでしょう。「服の廃棄場で徳を積む」ですわ。

ユニクロあたりも回収をしていますが、あれって何するかというお題目はありますが、実際どこでどうなるか、どれくらいREの成果になっているのでしょうか?

もちろんそれ以外のアパレルメーカーも…。

いや消費者の私たちが今すぐにでもできるのは冒頭の
「1960年に比べて現在は4倍もアパレルを購入している」→不要なものは買わない
「2000年代に比べ消費者が着続けるのは半分」→修繕、リフォームしてき続けましょう
そしてなんといっても
「買う前に聞いてる?見てる?」を実践しよう、ではないでしょうか。

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