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鈴木心写真館、松陰神社前の小さな旅#8「着縁 KIEN」vol.2

着物を最後に着たのはいつだろう。

着物のお客さまの撮影も増えてきた、七五三の季節。着付けにかかる時間や、動きづらい場所、歩くスピードは? 着物のお客さまをお迎えする上で、気になることを知るには、体験してみるのが一番。なによりちょっぴり特別なわくわく感を、わたしたちも知りたい。着物を着て、写真館に行き、写真を撮ること。今日は写真館スタッフのそんな「小さな旅」紀行を、ゆもとがお送りします。

先日こちらの記事でご紹介した、下北沢の「着縁」に集合。着物を体験するのは、受付担当すえまつとゆもとです。まずは店内に詰まった、アンティークからモダンまでとりどりの色と柄から、たった一着を選ぶまで。

似合うものの中から、着たいものを

小田嶋さん「おふたりとも髪がショートカットで、お洋服も黒いですね! 可愛い系って感じじゃないですよね。」

- わたしたち、いつも私服が黒いんです...。

小田嶋さん「あ、やっぱり? でも、ゆもとさんのマッシュルームカットって、個性的でポップな柄も似合うと思いますよ! 水玉とか、花柄でも、このあたりを選べばモダンな感じで着こなせるんじゃないかしらと思うんだけど、どうでしょう?」

- 柄を着るのは全然抵抗ないし、挑戦してみたいです!

小田嶋さん「すえまつさんは、かっこいいのが好きなのかな」

- すえまつは、ガーリーなイメージはないですね...。

小田嶋さん「柄を選べば、ガーリーだって似合うのあると思いますよ〜やってみますか?」

すえまつ「いやー、ちょっとどうだろう…」

小田嶋さん「ご自分がそれはちょっと…って感じだったら無理する必要はなくって。せっかく着物着るんだから、変身したい! ってひともいるし、いやいや普段の雰囲気のままで、ってひともいるから、そこは気分に合わせて提案したいんです。例えば、赤は普段着ないかもしれないけど、これとかは柄がかっこいいから着こなせると思いますし、逆に、こういうストライプをいつもの気分で着られたりとか。」

すえまつ「ああ、そういう色味がすごく安心します…! ストライプは普段もよく着るんです。」

- ちなみに、すえまつの身長でも、着物は柄優先で選んじゃって大丈夫なんですか?

小田嶋さん「全然大丈夫ですよ」

- 今日はふたりで写真を撮る日なので、ふたりの組み合わせも含めてご提案していただけると嬉しいです!

小田嶋さん「そしたら…これとこれとかどうかな。一旦試着してみましょうか。」

キュレーションされる、きもの

小田嶋さん「帯はどうしようか。すえまつさんは、紫か、黄色か…どう? お好きな方を。合うものしか出してないから、どっちでも大丈夫。選ぶのも楽しいんでいただきたいので!」

すえまつ「紫かわいいですよね、好きです。」

小田嶋さん「あ、紫がお好きなら、帯は黄色にして、帯締めで紫を入れるっていうのもありです。着物って、そうやって色を足していくんですよ。」

お客さんの雰囲気と気分を、会話から汲み取って、「似合う」と「着たい」を兼ねた着物を少し絞っていく小田嶋さん。右も左も分からない着物、的確におすすめしてもらえる安心感と、自分で選べるわくわく、のさじ加減。

自分に合わせること

小田嶋さん「着物は、着るひとに合った着付けをすることが大事で、例えば襟合わせは、顔と首の長さ、あとは髪型によって抜き方が変わってきます。ゆもとさんは、襟合わせ、うんと詰めたほうがかわいいと思いますよ。」

「女の子って、自分の身体が好きじゃないひとも多いじゃないですか。わたし、自分はお尻が大きくて足が太いと思ってたから、ミニスカートとか流行ると、どうしよう〜! って。洋服は、流行りに自分の身体を合わせないといけないって気持ちにさせられちゃうんですよね。」

着付けで灯る、着物、いのち

「だけど着物は、自分に合った着付けをすれば、どんな体つきだって素敵に着られるんです。それがすごく嬉しかった。だから、柄や色だけじゃなくて、着方まで提案することで、新しい自分を発見してもらえたらっていう気持ちもあるんですよ。」

確かに、自分の身体の特徴に対して「それなら、こう着れば素敵だよ」って言ってもらえると、とってもポジティブな気持ちになれる。「やっぱりこの柄、似合うねえ」「すごくいい感じだわ!」と褒められながら、着物の方から自分の身体に馴染んでくるようで。

お店に着いてから40分、2人同時進行の着付けは終了。鞄もレンタル可能です◎(足袋は持参、または¥2,000でご購入を!)

着縁〜鈴木心写真館は車で10分!

寄り道しながら茶沢通りまで。タクシーを捕まえて、10分で到着です。

*袖は身体の前でバサバサさせず、後ろにまわして撮ります。(と、小田嶋さんに教えていただきました。)

松陰神社は17時で閉まってしまうことを失念していました。ぎりぎり鳥居の前で撮影。ロケをご希望のお客様はご留意を!

日本を、着てみて

慣れない着物を着てみることで、発見できる新しい自分もある。そんな体験は、お店に足を運び、店主のセレクトに触れ、会話をしながら、着物を、帯を、帯締めを、とひとつひとつ選ぶところから、はじまっている。

顔、身体つきに合わせた着方で、誰が着てもおんなじじゃないことを知ったら、写真に写るのが楽しみだった。そんなふうに、着物にも、着物を着た自分にも、次第に愛着が湧いてくる。

やっぱり、撮った日が記念日

本当は七五三や成人式だからって、着物を着なきゃいけないって、決まっているわけじゃない。だけど、そんなきっかけで自分が「着たいな」と思ったなら、それだって新しい自分を知る大切な記念日だ。

ゆもとは7年ぶり、すえまつはなんと15年ぶりのお着物にどきどきしていたけれど、「無理はしないこと」「自分が落ち着くものを着てほしい」と繰り返す小田嶋さんの言葉に、着物を着る日って、もう少し身近な「特別」でもいいのかもしれない、と思う。

いつもの自分を越えていく、楽しさ

華やかな花柄に、小田嶋さんに勧められた真っ赤な口紅を控えめに。そんな自分の姿は、背伸びも無理もしなくたって新鮮で、やっぱり少しうきうきしているな。「ビタミンカラーってキャラじゃないかもしれないけど、気分が大丈夫なら、これくらい、くすみがかったオレンジは入れてみても映えるかも。刺繍が入ってるの。」と言われた帯締めまでお気に入りだ。(記事:湯本愛 写真:高木亜麗)

お着物着て、写真撮りたいけど、どうしようかな...と悩んだときは、ご予約の際、お気軽にご相談くださいね!

「着縁」のはじまりと、小田嶋さんのお店や着物への思い、価格帯などは下記の記事でご紹介しております〜。


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