私が質問=「どうしたいの?」に、こだわる理由

「そこ、どうすればいいかな?2人で、話し合ってごらん」


私が経営するピアノ教室は、どの教室も、生徒さんが自分で考え、自分で決める「自主性」に、こだわっています。

レッスンも、生徒さんが自分たちで調べ、教え合う「アクティブラーニング」の方法を、とっています。


実は、そうなるまでには、とある「理由」が、あったのです。


あれは、15年ほど前のこと。

学校の先生だった私は、放課後、校内を見回りしていました。

「おや、またあの子、遅くまで残ってるな」

教室の片隅にじっと座っているAさんを発見したのは、その時でした。

窓際に座っているAさんは、何をするでもなく、窓の外をぼんやり見ています。オレンジ色の夕日が、Aさんの頬を照らしています。

校庭からは野球部の、乾いた金属バットの音が聞こえてきます。

この光景。一昨日、昨日に続き、3日目でした。


私は、言いました。

「Aさん、遅くまで残ってないで、早く帰りなさい。秋は、日が暮れるのが早いんだから」

その瞬間・・・

Aさんは、ワッと泣き出したのです。

「・・・私、友達、いないんです。ここに座っていれば、誰かが声をかけてくれるかな、って思って・・・」

意外でした。Aさんは成績優秀、リーダーシップもあり、クラスの中心的存在だと思っていたからです。


このとき、私は、自分の拙さを知りました。

人は、心の奥に、人には言えない「本当の自分」を持っている。

指示する前に「心の声」を、聴かなければ・・・


その後独立し、ピアノ教室を開くにあたって「ピアノの音」よりも「心の音」を聴く教室にしよう、と誓ったのです。

そして、「どうしたいのかな?」「どうすればいいのかな?」と、まず質問から入ることに、とことんこだわりました。


私の理想は、「やりたいことができる」が、当たり前の社会です。

そうなるように、教育を変えていくことです。


コツコツ、一歩一歩、前進していきたいと思います。


★私の教室の、教育方針は→こちら です。



オンライン音楽教室を運営する会社を経営しています。他に、ピアノの先生の学校学長、作曲家・ピアニスト、オーケストラ指揮者。最近、スポーツジムにハマってます!http://himawari.ishikawa.jp