【ネタバレ風味のご紹介】ダンボ

ダンボなんですが、ファンタジー風味が足りなくて、いじめ風味も足りなくて、ということは当然ティム・バートン風味が足りなくて、ミュージカル味は入れ忘れだった。

そもそも元の映画は1941年なので”ジム・クロウ”なんてキャラまで登場。ジム・クロウは、米国における黒人の蔑称ですね。更にダンボが酔っ払って幻想をみたりする。いくらなんでもジム・クロウはフォローしようがないのでなかったことになっていて、飲酒にかんしては寸止め。

ただまあ、そもそもサーカスというのがポリティカル・コレクトネス的には地雷原で、今映画化するのであれば、「グレーテスト・ショーマン」みたいに、”誰でもそのままで偉いんだ!”みたいな話にするしかない。そこは逆に、自分の意志で空を飛べるようになった!という形でシンボリックな解放をダンボが勝ち取った後、蛇足の脱出劇がくっついてたりする。いろんなところが足りなかったり余計だったりしてもやもやするんです。

そんな中で主演のコリン・ファレルは大真面目に演技してるし乗馬も上手なんですが、このひと、公になっている逮捕歴はないもののドラッグ使用とリハビリ施設入所歴は公表されています。でも、ディズニーの主役でいいんだ?みたいなことで、余計にもやもやする方も日本の観客には多いかもしれません。

ということで、アメリカでも$170M とされる製作費に対し、2週目の週末(4/7迄)が終わったところで興収$76Mとのことで苦戦しています。

最近のディズニー映画の興行的失敗作としては他にラッセ・ハルストレム監督の「くりみ割り人形と秘密の王国」がありますが、ひょっとしてクリスマス物ファンタジーなんだから「くるみ割り~」をティム・バートンに監督してもらって、動物がでてきて泣かせる話の「ダンボ」をハルストレムが監督すればよかったのにと思いましたけれども。


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