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伝え方は「言葉の切り方」が9割

物事を抽象的に伝えるか、具体的に伝えるか。

これは場面に応じて使い分けをするのがベストです。

最近、こんな光景を見る場面が頻発しています。社内で今後の経営について喧々諤々の議論をする場面にて。具体的な戦略から戦術を語らなければ、話が進んでいかないのですが・・・

「中高年」向けに展開します…
「中小企業」向けの営業を強化します…
「欧米」の場合と比較すると…
「少子高齢化」が背景にあって…

ちょっと待てよ?

中年と高年では、ニーズが違うよ。
中企業と小企業では、課題が違うよ。
欧州と米国は、特性が違うよ。
少子化と高齢化は、背景が違うよ。

僕の心の中でこんなつぶやきがムクムクと出てくるのです。

聞きなれた言葉づかいをサラッと使ってしまう気持ちは理解できます。しかしビジネスのシビアな話をする際は、言葉づかいにこだわるべきです。

この事例で言うと、「言葉の切り分け」が大事なのです。

「中高年」 = 中年 + 高年
「中小企業」 = 中企業 + 小企業
「欧米」 = 欧州 + 米国
「少子高齢化」 = 少子化 + 高齢化

何でもかんでもまとめて言うと方向性や全体のイメージは瞬時に伝わりますが、具体性にとぼしく仕事は前進しないものです。

使い勝手のよいザックリとした言葉を多用する人には、多くの共通項が垣間見えます。たいてい物事を深く考えていないか、表面的に取り繕おうとしているのです。

これは伝え方の問題ではなく、仕事に向き合うスタンスの問題です。

では、抽象的な伝え方は全面的にダメなのか?

というと、もちろんそんなことはありません。ケースバイケースで「抽象と具体」を使い分けをすれば良いのです。

全体的な方向性を伝える際は抽象的に、行動につながるように伝える際は具体的に。今回、問題視しているのは、後者の具体論の伝え方のお話です。

生産性向上の課題が企業の中では真っ盛りですが、言葉づかい一つで動き方が変わるため、生産性向上のために言葉づかいにこだわってみる。こんな取り組みも盲点で終わらせてはいけません。

というわけで、具体的に伝えるためには「言葉の切り方」が9割です。

P.S.

残り1割は、前提となる話の中身(コンテンツ)そのものです。

著者・思考の整理家 鈴木 進介


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