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女性のオーガズムとパートナーの男性の収入の関係

恋愛に使えるエビデンス

愛や性に使えるエビデンスを紹介していきます。わたしたちが翻弄されてしまう恋愛というものを科学を通して観てみると意外だったり、不都合だったり、ショックだったりすることに直面します。でも、結局はわたしたちを救ってくれるので、役立つことが多いです。


相手が裕福だと女性はイキやすい

ちゃんと論文ベースな話で、イギリス、University of Northumbria, Nトーマス・ポレット博士(Thomas V. Pollet)による大規模な調査の研究です(※1)。調査は中国で行われ、男性のパートナーがいる女性1,534人を対象とした調査です。パートナーの同席がないインタビュー調査で、この調査からわかったオーガズムの頻度と相手の裕福度の関係を示したのグラグがこちらです。

source: Partner wealth predicts self-reported orgasm frequency in a sample of Chinese women

黒いバーが「いつもオーガズムに達する」で、グレーのバーが「ぜんぜんオーガズムに達しない」女性の人数を示しています。左から右にかけて、パートナーの男性の収入レベルが貧困、中流の下の方、中流の上の方、裕福を示しています。観ての通り、

男性が裕福であるほど、女性はイキやすい

という結果になっています。ちなみにパーセンテージは、パートナーの男性が裕福の場合、女性の常にオーガズムに達するの割合は12%強。貧困の場合は7%前後。「ぜんぜんイカない」の割合のほうがさらに顕著で、パートナーの男性が裕福の場合1%程度ですが、貧困だと7%前後です。

女性は即物的なのか?

この結果から、なんて女性は即物的なんだ!と思うかも知れませんが、即物的なのは男女共です。わたしたち人間の感情は二次的なもので、遺伝子のほうが強く主導権を握っています。たとえば、わたしたちが美人だとかイケメンと思える対象が存在していますが、彼女たちや彼らが、どうして美しく見えるのか。それは遺伝子が「左右対称が高い人間に好感を抱くように」しているからです。左右対称が高いと健康状態が高いことを示しているからです。よって、丈夫な子孫を互いに残しやすくなる。

この論文では、

“この結果は、女性の年齢、健康状態、幸福度、学歴、交際期間、パートナーとの貧富の差、パートナーとの学歴差、地域などの交絡要素では説明できません。この結果は、女性のオーガズムには進化した適応機能があるという見解と一致しているようです。”

と説明していますが、お金というものは、遺伝子としてはかなり新しい要素なため、それに女性の身体的反応が適応しているということを意味したものです。


女性の性欲が低いは悪いことではない

ちなみに女性の性欲は低くてもあまり生物的に問題はありません。性欲が強ければ良いのは、男性であって、女性が強い必要はさほどないからです。かといって、女性の性欲が強いことも問題なわけでありません。

問題なのは、多くの男性が、エッチな女性像を理想としていること

です。AVなどの影響もありますが、エッチな女性というのは、男性にとっての夢で、こういう世界を「ポルノトピア」と呼んでいます。AVで観たそんなペルソナを実世界に求めると問題が発生してしまうからです。気持ちはわかるけど(笑)。

ちなみに女性において低い性欲の方はけっこうな割合(3〜5割)で存在しています。この事実を男女ともに受け入れたほうが、けっこう楽になるのではないでしょうか。


まとめ

女性のオーガズムが、心の問題というよりは、遺伝子由来の割合が高い。

女性のオーガズムが、心の問題というよりは、遺伝子由来の割合が高そう、というのが、まま正当な解釈になるではないかと思います。男女ともに即物的なわけです(男性の即物さは、言うまでもなく、わかりやすいはず)。

では、心の領域ってどこなのか?それは、事実を受け入れた後に試行錯誤する「工夫」です。パートナーの状態を自分に不都合でも受け入れ、二人で、どうやったらうまくいくのか、その試行錯誤する動機が、心の領域です。わたしたちは、元来パートナーとして長続きしないように出来ています。欧州の離婚率は40%、日本は35%です。妥協ではない夫婦関係の継続に、どうしても必要なのは、受容と二人する工夫です。


参照

※1:Partner wealth predicts self-reported orgasm frequency in a sample of Chinese women (2009)


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