見出し画像

社会的調査の障壁「社会的望ましさバイアス」

インタビューやアンケートに発生する歪み

アンケートやインタビューに答えるとき、発生してしまいがちな歪みがあります。
画像引用:リサーチワークス

なんらのかのインタビューや調査を受けたとき、わたしたちは、倫理や体裁やタブーに触れるような思想や行為について、そのまま答えることに強い抵抗を感じます。つまり「社会的に望ましい回答」をしてしまう傾向があります。これを「社会的な望ましさバイアス」と言います。

社会的望ましさバイアス

社会的望ましさバイアス(Social-desirability bias/SDR )

社会的に望ましい側面のみを報告し、望ましくない側面を報告しない傾向

この「社会的な望ましさバイアス」は、社会学や心理学など人間の心理と行動に関する研究において大きな問題です。 自己申告調査の場合にこのバイアスが影響し、正確な状況把握できなくなるからです。性、ドラッグなどを含めて「社会的に望ましくない行動や思考」の把握がこれにより妨げられます。

社会的望ましさのバイアスがかかるテーマ

社会的に望ましい回答(SDR)が特に懸念される話題は、能力、性格、性行動、薬物使用に関する自己報告です。例えば、「あなたはどのくらいの頻度で自慰行為をしますか」という質問に、回答者は自慰行為に対する社会的タブーに圧迫され、頻度を低く報告するか、質問に答えるのを避ける可能性があります。したがって、自己報告式の調査から得られる平均的な自慰行為の割合は、著しく過小評価される可能性が高いことが予想されます。

社会的望ましさのバイアスの影響を受けやすい他のテーマは以下の通りです。

  • 自己報告された性格特性

  • 個人の収入と所得:

  • 低い自己価値および/または無力感の感覚

  • 排泄機能

  • 薬物投与スケジュールの遵守度:しばしば誇張される

  • 避妊具の使用や中絶を含む家族計画

  • 宗教:しばしば避けられるか不快に扱われる

  • 愛国心:誇張されるか、否定される場合、相手の判断を恐れるため。

  • 偏見と不寛容:たとえそれが回答者の中に存在しても、しばしば否定される。

  • 知的業績:しばしば誇張される。

  • 身体的な外見:誇張されることもあれば、矮小化されることもある。

  • 現実または想像上の身体的暴力行為:しばしば否定される

  • 慈善や博愛の指標:しばしば誇張される。

  • 違法行為:しばしば否定される

  • 投票率

対策

社会的望ましさバイアスを減らす方法は2つあります。

1. 匿名性と機密性
匿名性と機密性は社会的な望ましさバイアスを減らす効果があります。


2. 自分と親友のテクニック
「主格テクニック」というもので、自分についてではなく「親友なあらどうするか」という質問方法。

他にもいくつかありますが、これは認知バイアスの知見を理解する立場にとってではなく社会調査をする際に必要な知見なので省略します。

参照

*1



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?