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設計工程の自動化/効率化をAIで実現するNeuralConceptが調達実施、事業拡大へ

3D環境下での深層学習/独自AIによる設計プロセスの効率化/迅速化を実現するSWを展開するNeuralConceptが2700万ドルを調達しました。
同社のSWでEV開発期間を1/3程度に短縮することが可能としており、日系でもSubaruなどが採用しています。
中国勢のEVへの対抗にはプロセス短縮化/効率化が求めらるところで、今後の成長には欠かせない機能となりそうです。

1;NeuralConceptによる資金調達

 今回のラウンドはSeries-Bで合計2700万ドルを金融投資家から調達し、これまでの調達総額は3800万ドルに。今回ラウンドはForestay Capitalがリードし、新規投資家;D.E.Shawに加えて既存投資家;Alven/Constantia New Business/HTGF/AsterGroupが参加
 今回以前には[Series-A;900万ドル(22/03)][Seed;200万ドル(2020)]のラウンドを経験、今回の資金は従業員採用及びAPAC/米国への進出に用いる

 今回主導したForestay CapitalのSr.Principal;Deborah Pittet氏は下記のように期待をにじませた
 -[Neural Conceptは、AIの最先端である3Dディープラーニングの先駆者であり、世界中の様々な業界の顧客に対して驚異的な牽引力と成果を示してきた]

2;Neural Conceptとは

 2018年にスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)からのスピンアウト、最先端の3次元深層学習AI技術を実用化した点に強み。CAE(Computer Aided Engineering)/シミュレーションSWである[Neural Concept Shape(NCS)]の開発/販売(導入)を行う
 NCSを使用して設計者はコンポネントを製造する前に、コンポネントがどう機能するかをモデル化することが可能に
 例えばエンジンの一部としてどのようにコンポネントが機能するかを見ることができ、自動車/航空宇宙/エネルギーなどの幅広い業界で利用可能で、3D環境での深層学習を使用し、データ分析と組み合わせて[開発時間を最大75%短縮][製品シミュレーションを最大10倍高速化]が可能とのこと
 NCSは製造業で用いられており、GPU/CUDAソフトウェアの最適化に向けてNVDIAとも連携。エアバス/ボッシュ/GE/スバルに加えて、4つのF1レーシングチームで使用される

3;EV開発への影響

 中国の大量生産/コスト安を武器に各国に輸出しているのに対して、既存OEMは生産コスト削減を求めて設計プロセスの効率化/迅速化を目指す。NCSを用いることでEV開発期間を4年から18ヵ月に短縮することが可能と喧伝する
 製造プロセスでの[製品高度化/複雑化]と[製品品質向上][開発サイクルの短縮化]を鼎立させる機能を提供、従来CAEシミュレーションでは計算品質向上/計算時間単色が図られてきたが、より短期間での評価検討/設計反映が求められつつある
 NCSでは既存データからAI構築し、入力形状の結果分布を最短数ミリ秒で予測が可能で、更に曲面などのパラメータ化が難しい形状も、深層学習AIが特徴量を学習することが可能。定形コマンド入力で動作する点も強みでコーディング知識も不要
 
 共同創業者/CEOのPierreBaqué氏はNCSにより手作業で行われるプロセスが急速に加速されると述べる
 -[たとえばバッテリー設計で熱効率を高めるために性能を向上させたいとき、当社のSWは材料特性を認識しているため、効率を高めるための改善方法を提案できる]
 -[従前はCADデザイナーが3D設計を描いて、非常に複雑な数値シミュレーションを行う担当に送信していたが、非常に冗長で物理試験が必要になる場合があった]
 -[NCSを使えばデザイナーを直接ガイドすることができる]

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