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自動運転;Motional社の支援からAptivが撤退へ

自動運転SWをHyundai/Aptivとともに開発進めるMotional社からAptiv社が撤退する動きが出ています。
OEM&サプライヤのリソース注入って鳴物入りで始まった同社、CES2024で実車/開発計画も示していましたが先行きが暗くなってきました…

1;MotionalからのAptiv撤退

 自動運転をSW/HW双方で手掛けるMotional社(24年のロボタク商用化目指す)は主力支援企業であるAptivの撤退から窮地に…。
 Motional社はHyundaiとAptivのJVとして事業展開するが1/31に資本支出取りやめを発表。現在ラスベガスで(有人)自動運転タクシーを展開しており、Uber/Lyft/ViaといったPFでの利用が可能

 本件に関する各社コメントは以下の通りで[コスパの悪さ][不透明なスケジュール][本業への効果の薄さ]などがあげられる
(AptivのKevin-CEO)
[Motionalの技術進化が進むが追加資本支出は行わず議決権比率を減少させるべく動いている]
[HW本体/周辺の技術コスト高さがオンデマンド市場での導入観点から商用化/実用化の阻害要因になっている]
(AptveのMassallo-CFO)
[JV契約の枠組みで取り組みながら普通株式の相当部分を削減する措置を検討している]
[ロボタクサービスの立上~事業化~マネタイズまでは期間が長すぎて、財務的に許容できない]
(Motional社の広報)
[資金調達ロードマップに自信を持っており、既存株主の攻勢に現段階では変更なく所有権に関する最新情報はない]
[商業化の次の段階に向けて良いポジションにあり、引き続きHyundai/Kiaと協力して、無人サービス拡大/パートナーシップ拡大/次世代ロボタク開発推進に注力している
[株主との戦略的パートナーシップを通じて独自の地位を築いており、引き続き株主からの強力なサポートと協力を得ている]

2;Motional社の自動運転の歩み

 Motional社は自動運転技術の実用化に取り組んでおり、(有人)自動運転タクシーサービスの実績を積んで10万回以上の自動運転を提供。車両はHyundaiのEV[IONIQ 5]として開発されており、延期を繰り返しつつ2024年にロボタク事業のスタートを目指してる
 現在はボストン/ピッツバーグ/ラスベガス/ロサンゼルスそしてシンガポールで自動運転車の試験を実施。ただし、常に人間の安全運転手が運転を実施している。
 ちなみに、LAではUberEatsによる自動配達サービスも運営

3;Motional社の概要

 会社は自動運転技術開発を行うnuTonomy社を源流とし、2019年に設立された。遠隔は以下の通り
2013年;nuTonomyがボストンで創業、公道技術テストに初めて成功
2017年;Delphi(自動車部品)が4.5億ドルで買収、その後Delphiは会社分割されて当該事業はAptiv(システム/電機関連等のSW開発/設計)の譲渡&吸収
2019年;HyundaiとAptivにより、自動運転商用化に向けMotional社設立
 -当時は出資金/現物出資/提供物を含めると事業価値は40億ドル近く
 -Aptivは[自動運転技術][700人の従業員]を拠出
 -Hyundaiは[Kiaブランド][車両エンジニアリング][R&D][IPR]に加えて16億ドルの現金を拠出

 発足後の経過はあまり順調でなく、ロボタク事業の実現に向けて動いてはいたが延期に次ぐ延期…
 -発足時;20年に自動運転試験の開始→22年に商業化
 -現時点;24年に(完全無人)ロボタク事業をIONIQ5米巣車両で開始
 先だって23/11にHyundaiと連名でロボタク量産対応バージョンを共同開発する計画を発表。CESでは20年代後半に商業運転ベースの次世代自動運転車の開発計画も発表

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