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EV新興;Arrival社が英国事業を売却&整理へ

先般NASDAQ上場廃止となったEV新興;Arrival社ですが本拠地である英国事業の整理/売却に動いています。
軽量EV/商用EVの都市内製造というコンセプトで一世風靡した同社ですが、ついに息の根が途絶えてしまいました…

1;Arrival社の英国事業整理&売却

 2/5にArrivalは規制当局への提出書類で英国事業部門が管理下/破産申請に至ったと明らかになった。残債務の返済に向けて英国の保有する資産/IPRの売却を準備しているとのことで、前週には上場規則違反でNASDAQからの上場廃止となっていた
 Arrival社によると英国外の子会社(関連会社)は営業継続するとのことだが、詳細は不明。FT紙によると英国だけでも170名以上の雇用が喪失する

2;Arrivalとは

 2015年創業でロンドンを拠点とするEV新興企業で商用EV(物流/輸送)に注目。創業者のDenis Sverdlov氏は旧ソ連;ジョージア生まれでTech関連の経験が長く、ロシアの通信副大臣も歴任 
 EV利用領域の中でも環境配慮が求められる配送バン/バスの運営会社と契約を結んで業容拡大を狙ってきた。UPSはArrivalに総額10億ドル相当(1万台のEV商用バン)を発注、2023年には公道走行を狙っていた
 特徴はマイクロファクトリーを利用とした商用車の製造で、EV生産の根本的な効率化を図った点でコスト削減を実現。シャーシにアルミを、ボディパネルには独自の複合材料を使用して軽量化&低コスト化を実現(バッテリー小型化を通じて、車両1台あたりのコストを4万ドルまで引き下げ)

3;その他

 かつて130億ドル以上の事業価値をたたき出し、HyundaiやUPSなどと業務提携していたが、直近の企業価値は900万ドルにまで低下
 [都市内ファクトリーでのEV製造]を掲げて、UBER専用車/EVバスなど多くのPJを引き受けてきたが内情は自転車操業だったともされる。好調時でさえ、Arrivalは幹部の度重なる交代やレイオフなどで事業継続性に疑義が感じられていた

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