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電動シーグライダー製造のRegent社が6,000万USD調達完了&JALと業務提携

米国で電動シーグライダー(洋上空挺船)の開発/製造を行うRegent社が6,000万USDの調達を完了し、JALとの業務提携を発表しました。
日本の港湾での利用を念頭においた業務提携とのことで、空港と市街地の遠い大分/北九州/長崎などでの運用や東京湾でのコミュータ船への適用なども想定しているのかなと。

1;Regent社について

 2020年設立で電動シーグライダーを開発/製造しており、港湾周辺のモビリティ事業の可能性の拡大を追求する。
 シーグライダーは、[飛行機の高速性][ボートの低運用コスト]を組み合わせた新しい輸送手段で、地面効果翼機(WIG)と称される
 Regent社の開発機体は水上数メートルを飛行、高エネルギー効率/安全性を両立すると共に電動化でゼロエミッションを実現。開発中シーグライダー[Viceroy]は12人乗り/全電動で、既存バッテリーで最大290Kmの航行が可能で、次世代バッテリーでは最大805Kmが可能。[浮遊][浮上][飛行]の3つの機能の実現に成功した初の機体とのこと

2;シーグライダー

 電動航空機は[バッテリー種類の少なさ][認証プロセスの長さ]が開発の進展の阻害要因として大きいが、創業者のBilly Thalheimer氏は2つの課題解決策として電動シーグライダーに目を付けた。
 [中距離航行と認証面での課題を乗り越えるには水中翼船と電気航空機を組み合わせることが最適]と主張
 電動シーグライダーは、[波止場/港でボートのように動作][耐波性の水中翼船から離陸][外洋上を水面から数m以内で飛行]する
 シーグライダーは地上翼効果車両(WIG)と呼ばれ、海事法の管轄下。創業者は[海事法で定められる安全性基準に沿って設計を行い、ビジョンを実現する]とする。
 [ドックからドックまでの水上輸送][水面の翼幅内で飛行]することを通して千綿効果を最大限享受し、航空機の空力効率と航続距離の向上が可能に。

3;今回の資金調達

 10/6に行われたイベントでRegent社は6,000万USDを調達したと発表、現在までに9000万USDを調達している
 リード投資家;8090 Industries and Founders Fundがリード
 金融投資家;Point72/Caffeinated Capital/Mark Cuban/UAE-SDF/Future Planet Capitalなど
 戦略投資家;JAL/ヤマトHD/ロッキードマーティンなど
 調達資金は、プロトタイプ構築/検証及び人員確保に使用される予定。2024年には55人から100人に体制拡大。24年夏に試験を開始し、24年末までに初の有人飛行を実現する予定。

4;その他

 JALと協業に係る覚書を締結し、CVCであるJALイノベーションファンドによる投資拡大を含んでおり、日本でのシーグライダー運航の確立に向けた協業をすると。
 潜在的な市場として日本以外にも、地中海/英仏海峡/北海周辺の国境跨ぎエリアやマイアミ/バハマ/太平洋岸北西部/ハワイ周辺などもあり得ると語る

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