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Cruiseが950台の車両リコールと改善策を公表へ

Cruiseが自社公式ブログで自動運転ソフト搭載車両950台のリコールを発表しました。同時に最近の社内対応も公表しており、調査委員会立上/運用体制見直し/改善への取組など、不安/不信の払拭に向けて動いています。
早々の許認可再交付には時間がかかりそうですが、事業停止期間の取組は垣間見える発表であります。
https://getcruise.com/news/blog/2023/important-updates-from-cruise/

1;GMによる車両リコール

 Cruiseは一連の人身事故を受け、自動運転車ソフトウェアを搭載した車両950台のリコールを発表。ブログ&リコール通知の中で[10/2事故の反応を分析した結果、衝突検知サブシステムで自動運転車が当該事故を再現する可能性]があるためにリコールを発表したとする
 今回のリコールは規制当局と協議を行い、安全性を高めるべく行うものであるとのことで、下記のように述べている
 ‐[ソフトウェア更新前には、重傷リスクを伴う衝突事故が平均して1,000万~1億マイル走行するごとに再発していた可能性があると判断]
 ‐[Cruiseは継続的な改善を通じて、当該事故がさらに少なくなるように努めている]
 ‐[ソフトウェアの改善の中で、車両全体の安全性強化へのアプデを通知するために追加リコールを提出する可能性もある]

2;Cruiseの直近行動

 11/8にCruiseは重要なお知らせとして公式ブログでロボタクシー事業に関する今後の方針を投稿
(1;ソフトウェアの自主リコール)
 規制当局との協力の下、ソフトウェアのリコール&アプデを実施
 -自走運転車の衝突後対応に関する分析に基づき、[衝突検出システムにより、路肩退避が最良の反応でない場合への対応(車線走行継続?)]を行う
 ‐アプデについては当局監視の下でCruiseの監視下にある試験車両に適用。運用再開前に全無人車両に適用するが本格再開前には当局と連携を密にする
(2;CSOのJD公表)
 CEO直属のCSO採用に向けてJDを策定、当面は安全性/システム担当副社長がCSOを兼務
(3;10月の事件調査への法律事務所アサイン)
 Quinn Emanuelをアサインし、外部レビュー及び当局(警察/規制)&メディアとのやり取りを行う
(4;技術的な原因分析を実施する担当者任命)
 DMV/NHTSA等の規制当局の調査協力に加えて、第三者のエンジニアリング会社による原因分析を実施
(5;追加のワークストリーム開始)
 運営方法改善の可能性がある重要領域を特定し、調査&フォローアップ措置を行う担当を任命
 ‐安全ガバナンス:安全アプローチとリスク管理構造を徹底的に検討し、継続的な改善を可能にする体制を構築/配置する
 -安全性とエンジニアリングプロセス:高度なツール/プロセス導入を通じ、安全性/テスト/検証のプロセスを包括的に見直し、改善余地がある場合はプロセスを追加/変更する
 -透明性:一般顧客/市民/規制当局/メディア/従業員とのコミュニケーション方法の改善に取り組む
 -地域連携:自動運転が地域社会に齎すメリットを実現するために、ステークホルダーとの関わりを改善する

3;人身事故以降の状況

 そもそも8月に発生した事故以降、規制当局/法執行機関はCruise/GMに対して監視強化していたが10/2の人身事故を受けて当局は一気に規制強化
 事故後の10月の対応は下記の通り
 -CA州の陸運局/公共事業委は[Cruiseに対するSF市公道におけるロボタクシーの商業運行への許可]を全て取り下げ
 -Cruiseは自社の運用するロボタクシー事業に関して試験/実事業の全停止を決定
 -Cruiseは続いて、Origin車両の製造の一時停止も決定
 対応している最中でも安全対策/ソフトウェアの潜在的な欠陥を暴露する新たな報告書が出ており窮地に陥っている…

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