見出し画像

電動自転車;SONDORSが管財人管理下で事業売却へ

マイクロモビリティ業界の逆風は師走でも止むことなく、どんどん強くなっているようです。
今回は電動自転車の開発/販売を手掛けるSONDORSが事業再生に向けた管財人管理下に入ることが発表されました。
最高速度45km/hとデザイン性を売りに販売を進めてきた同社ですが、新型モデルの開発失敗と資金調達環境の悪化で命運が就きました。
現在売却に向けて1/19締切に入札が進んでますが、ここで一気に買収進めて業界を牛耳るのも既存事業者の戦略としてはありかと…

1;SONDORS(SDR)の事業整理

 電動モペットの製造を手掛けるSDR社が資金調達失敗と事業PJ失敗の報道を受け、管財人管理下に入るとともに会社/資産を買収候補の選定に。Rock Creek Financiall Advisors(RCFA)が管財人に就き、SDR社の資産全てが売りに出されている。RCFAは債権者利益譲渡(ABC)を通じた企業再建を専門とするアドバイザリーファーム
 ABCは後述するが破産とは異なり、会社(及び資産)の売却で債権者を保護することを目的とするプロセス
 資産売却に係る購入希望者からのレター受付は2024/01/19までで、事業価値/製品を説明するプレゼン資料では下記の特徴が謳われる
 -これまでの電動バイク販売実績は6.3万台
 -MetaCycleの販売(1万台分)に向けた現預金;1990万ドル程度を保有する
 -今後のPJは[電動ダートバイク][大型電動バイク][電動ATV]等がある
 -保有特許/商標についても対象となる
 ただ、プレゼン資料の大部分が過去資料の転用で、[経営陣が過去分][MetaCycleは既にPJ停止]といった点でかなりの情報相違が…

2;SDR社について

 2015年の米CA州を本拠に設立された電動自転車の開発/製造を手掛ける新興企業。米国/海外で[SONDORS]ブランドの電動スクーター/自転車の販売を起点に顧客サービス/技術サポートを提供。現時点での収益は販売収益によるもの
 同社主力の電動スクーター[MadMods]は後輪に750wの電気モーターが搭載され、45Km/hの最高速度を測定
 22/10にNASDAQに上場申請したが長らくペンディング状態にあったが、それ以前にはクラファンで(StartEngine)57万ドルを調達、調達前評価額は7983万ドルだった

3;その他

 ABCは会社資産の清算する手続で、破産手続よりは低ハードル/低廉/迅速な手続。具体的な規定/プロセスは州法で定められており、一般的に債務者の主たる資産/所在地のある州もしくは設立州で実施される。プロセスとしては[債務者が譲渡先へ全資産を譲渡][譲渡先が財産売却/売掛金等の回収][取得利金を債権者に分配]する流れ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?