Teslaの充電NWの事業価値は
はじめに/サマリ
MorganStanleyが6月中旬にスーパーチャージャーの事業価値に関するレポートを出しておりまして。最高にPosなケースでのNACSベースのスーパーチャージャーNWの事業価値は1,000億USDになるとの試算です。
EV急速充電NWとしては世界唯一のスーパーチャージャーNWは1,000億USDの事業価値を超える可能性があり、EV普及とともにまだ評価額が上がるとみられ、この評価は昨今のアライアンス拡大/Teslaの存在感増大に影響を及ぼすと思われますです。
1;最近のNACS
2012年の登場時にはTeslaの特典として位置付けられ、急速充電をスマート/ストレスレスに体験できることを価値として提供されていたNACS対応アダプタなどなど。その後、TeslaがEV市場で急速に拡大してスーパーチャージャーもNW拡大。
最近ではGM/FordによるNACS採用で拡大が後押しされ、北米の急速充電の覇権はTeslaのものとなり、Teslaの充電NW事業者としての立ち位置は不動のものに。
2;MorganStanleyによる予測シナリオ
MSのアナリストチームは[Teslaがスーパーチャージャーへの電力供給に向けて太陽光発電の電力生産/貯蔵する事業想定]でシミュレーション。
具体的には2030年のEV走行距離割合(北米)/スーパーチャージャーの市場シェア/kWhあたりの走行距離効率/kWh収益などを変数としてシナリオ分析。キー要素は営業効率と収益性をもっとも反映しうるNOPATで算定
2-A;シナリオ結果
想定されるシナリオケースは下記の4つ
1)Reasonable [EV普及=10%][TeslaのSCシェア=50%]
→ NOPATマージンは30%でNPVは3.0USD/株
2)Plausible [EV普及=20%][TeslaのSCシェア=70%]
→ NOPATマージンは50%でNPVは14.0USD/株
3)Dominant [EV普及=30%][TeslaのSCシェア=80%]
→ NOPATマージンは70%でNPVは33.0USD/株
4)Monopoly [EV普及=50%][TeslaのSCシェア=100%]
→ NOPATマージンは80%でNPVは78.0USD/株
Teslaの発行済株式数は30億株程度のため、Monopolyケースでは1,000億USD超えになる計算。いろんなツッコミはあるけども、この評価はEV充電インフラの高い潜在性を示しており、より多くのメーカーがNACS採用に動くインセンティブになりそう
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?