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Exxonがアーカンソー州でリチウム採掘/加工を本格化

Exxonが米国本土でリチウムの採掘/加工に向けた動きを加速しています。リリースによると、2030年代前半までに[EV100万台規模]での採掘/加工を目指して採掘工事を進めていくとのこと。
50年前にいち早くLiB製造したものの撤退した同社、石油依存からの脱却の動きに注目です。

1;Exxonによる米本土でのLi採掘

 Exxonは11/13に2027年リチウム採掘/生産を開始、EV事業者やLiB事業者への提供を目指すと発表。2030年代初頭には[年間100万台を優に超えるEV製造ニーズを賄うのに十分な量のリチウム]を生産する計画
 アーカンソー州の地表からのリチウム掘削に取り組み、Teslaや多くのDeep-tech系企業とかち合うことになる。例えば、Lilac Solutionsはユタ州のグレートソルト湖からリチウムを抽出する計画で、EnergyXは鹹水からの抽出を目指して実証中

~上級幹部のDan Ammann(前CruiseのCEO)は下記のようにコメント~
 [国内のリチウム採掘に早期参入したい]
 [直接抽出技術は従来の採掘事業よりも環境影響がはるかに少なく、懸念とされる環境破壊は起きない」
 
 Exxonは70年代にLiB生産に手を出していたが、規模拡大の可能性が見込めず早々に事業から撤退した

2;Liを取り巻く米国内状況

 2021年の米国地質調査所の調査では[米国には数十万トンの回収可能リチウムが埋蔵されており、EV/スマートデバイスむけのバッテリーや再エネ貯蔵に利用できる可能性がある]とのこと。現在、米国で商業規模のリチウム採掘場があるのはネバダ州に1か所だけで、アルベマール(化学)が運営する
 バイデン政権はリチウム鉱山の建設を推進しているが、一方で先住民団体/環境保護団体は反対している。リチウムの直接抽出には、真水の大量消費などの環境リスクが依然として存在
 アルゼンチンでの研究によると[Li鉱床は極めて脆弱であり、採掘を進めることで家畜/農村住民にとって重要な食物連鎖を崩壊させる可能性が高い]と警告

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