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GMのLiB工場で化学物質漏洩、EV生産計画に影…

 GMがオハイオ州に保有するUltium-セル工場(新型LiB)での化学物質流出事故がジワジワと世論を賑わせつつあります。
 当地の有力紙デトロイトニュースによると州/連邦当局が調査に乗り出しており、UltiumベースのEV製造に影響が出そうです。

1;発生事象

 8/19-20にかけてバッテリー材料/有害溶剤を含む液体が漏れ出し、当該工場の敷地内の一部土壌が汚染されたとのこと。漏出液体にはポリマー溶解に用いられる[n-メチルピロリドン(NMP)]が含まれており、[妊婦には胎児死亡][生殖能力の低下]といった影響が懸念される。
 工場を保有するUltium-Cells(GM&LGEnergy SolutionのJV)は下記のようにコメント。本件の停止期間がどれくらいかは不明で、Ultium-Cellの生産/関連するEV製造への影響は確実にあるが未知数。
(A)[漏洩による従業員暴露/負傷はなく、当該地域は一時的に操業停止して第三者企業が浄化と漏洩の封じ込めに協力した]
(B)[損傷がないか検査され、安全であると判断される」まで業務は一時停止される]

2;当局の対応

 連邦労働安全衛生局(OSHA)がメインで調査を実施。発生事象/UltiumCellsの対応/現状/原因等の情報を収集、特に暴露範囲の確定に向けた調査を実行

 連邦環境保護局(EPA)は直接関与しないがNMPの危険性を特に強調している。曰く、輸入/加工/使用/廃棄のすべての段階でリスクがあり、神経系に影響を与えて[短期的には頭痛/吐き気/めまい/眠気][長期的には集中力低下/記憶喪失/うつ病/過敏症]等をもたらすとのこと。

3;その他

 全米自動車労働組合(UAW)は先立つ7月に工場の状況について白書を発表していた。それによる、[施設は”危険な状況と低賃金”にあり、状況を助長する企業は寛大な連邦補助金を受けるべきではない]とする
 Ultium社は[同工場の安全上の懸念に関する労働組合の特徴づけは”故意に虚偽で誤解を招く”]と反発。ちなみに、本工場はUltium社が予定する3つの主力工場の最初の工場で、今年後半にTN州/24年中にMI州に新設予定で建設を進めている

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