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VWの米国工場がUAWに加盟、他社にも飛び火可能性が大

VWの米国工場がUAWに海外メーカーとしては初めて加入することになり、VWは産業組合との対峙も必要になってきました。
格差が広がる中で労働組合や再分配に注目が集まる米国、UAWはこの動きを加速させると表明しており、5/1のメーデーまでに更なる動きが想定されます。
他海外メーカーでも徐々にUAWは無視できない存在になりつつあります。

https://media.vw.com/en-us/releases/1794

1;VWの米国工場がUAWへ参画

 4/19にVWのチャタヌーガ組立工場はUAWへの参加を投票で決定。投票数は3,613票で従業員の83.5%が投票し、[賛成=2,628票][反対=985票]という結果で大差で賛成へ。米南部で80年ぶりの[新しい労働組合が形成された自動車工場]で、米国の外資自動車メーカーが所有する唯一の労働組合工場となった
 過去にも2014年/2019年に組合投票を行ったがいずれも僅差で否決されたが、当時に比較して雇用は2倍となり労組の影響力も増している。
 過去には共和党州当局の反対が知事を筆頭に行われたことが影響して否決され、加えてUAWの当時の会長による汚職スキャンダル(横領や規制当局への違法な働きかけ)の影響もあった

2;VWのチャタヌーガ工場

 当工場では現在、VW ID.4/VW Atlasを生産、ID.4は米国のEV税額控除を利用するためにチャタヌーガに持ち込まれた。VWは他のEVの生産についても同工場に持ち込むことを検討している
 投票前、当工場はVWの中で唯一の非組合工場であった。本拠地であるドイツでは一定規模以上の全企業は、取締役会に労働者代表(労組の代表)の出席が義務となっている

3;UAWの全米組合化

 今回の件はUAWの新しい組合化戦略の最初の成功だったが今後も他工場で同様の動きが想定され、24/05にはアラバマ州のMercedes工場で投票が予定(5/13-17)されている
 UAWは23/09に米国の大手3社での同時ストライキを実行し、[大幅賃上げ][待遇改善]を勝ち取り。開始から6週間でUAWは3社全てと合意し各社から大幅賃上げやその他保証を勝ち取ったことに加え、Big3以外の各社(VW/Hyundai/Toyota/Honda/Tesla)でも10%程度の大幅昇給を発表
 UAWのShawn Fain会長は[the UAW bump]と呼び、更にUAWは[U Are Welcome]とのべて全米の労働者を支援していることを強調した
 UAWは他のすべての米国自動車メーカーを同時に労働組合化する意向を発表し、バイデン大統領もこの考えに支持を表明。UAWは他工場の従業員に対し、ウェブサイト(uaw.org/join/)を通じて労働組合カードに署名して加入意思を表明するよう奨励している
 5/1のメーデーまでにUAWは新たな方針を出す予定ともされており、対象はBig3でなくBig6ともいわれている…

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